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横浜DeNAのエスコバーがSNSに届いた誹謗中傷メッセージを公開した(写真・黒田史夫)
横浜DeNAのエスコバーがSNSに届いた誹謗中傷メッセージを公開した(写真・黒田史夫)

横浜DeNAエスコバーが脅迫&人種差別メッセを怒りと悲しみの異例公開…球団が緊急声明発表もSNSでの誹謗中傷を撲滅する方策はあるのか?

 横浜DeNAのエドウィン・エスコバー(31)が3日、自身のSNSに届いた誹謗中傷、脅迫とも取れるメッセージをツイッターで公開、球団も誹謗中傷等の行為を控えるように緊急声明を出し、違法な投稿に対して法的手段を取る可能性があることを示唆した。SNS上では、エスコバーを勇気づける励ましの声が多く寄せられ、彼も感謝の意を伝えたが、相次ぐ選手への誹謗中傷を撲滅するための具体的な対策を球界全体で講じることが必要になってきた。

 「このようなメッセージは私をとても悩ませる」

 

 怒りと悲痛な思いが交錯したのだろう。
 エスコバーは3日、公式ツイッターに「昨日の試合後、この人が私を侮辱した」と綴り、自身のSNSに届いたスクリーンショット画像を公開した。 baiwenaiaoというアカウント名の人物のメッセージには、英語で「あなたの家族全員が自動車事故で死ぬだろう」「恥知らずの黒い動物」
「地獄に落ちろ黒い動物」などという家族への脅迫とも取れる文言や明らかな人種差別の書き込みが並んでいた。
 さらにエスコバーは、「私ほど仕事とチームに溶け込んでいる人はいません。毎日すべての試合に自分の200%を捧げています。チームメイトと私は毎日、毎試合、最善を尽くし、すべてのファンに喜びをもたらすために懸命に取り組んでいます」、「しかし、このようなメッセージは私をとても悩ませ、家族のことになれば非常に怒りを覚えます」と連続投稿してやりきれない気持ちを明かした。
 エスコバーは2日の阪神戦で8回から救援マウンドに立ったが、島田海吏の打席途中で、原口文仁を代打に送る岡田監督の“奇策”に動揺したのか、ダメ押しとなる2ランを浴びていた。おそらく誹謗中傷のメッセージは、この登板内容に関連して送られたと考えられるが、明らかにファンの声の範疇を超え、エスコバーの名誉と心を傷つけて侮辱し、その家族に恐怖さえ抱かせる違法行為。
 横浜DeNAも、この異常事態を問題視。公式ツイッターで「~SNS投稿へのお願い~」と題した緊急声明を発表した。
「いつもご声援ありがとうございます。皆さまが気持ちよくSNSをご利用いただけるよう、誹謗中傷等の心ない行為はお控えください。なお、侮辱や脅迫等の違法な投稿に対しては、法的措置をとる場合がございます。ご理解・ご協力のほどお願い致します」
 昨年は阪神の青柳晃洋がSNS上での誹謗中傷の被害を明かすなど、SNSでのファンの過激な投稿が問題になっていた。これらの事態に備えて、NPBは開幕前に12球団、日本プロ野球選手会との連名でSNSでの誹謗中傷投稿に対して注意を喚起する声明を発表していた。
「昨シーズンはSNS等において、懸命にプレーする選手に対する誹謗中傷、侮辱や脅迫等の心ない行為が相次ぎました。選手の家族や監督、コーチ、球団スタッフ、審判員を含む関係者への誹謗中傷等も発生し、今春のキャンプイン後もその兆候は続いています。これらの誹謗中傷等を受けた人たちは、大きな不安と恐怖、そして深い悲しみを抱え、試合や私生活に支障が生じてしまう例も出ています」とした上で「このように選手、選手の家族、監督、コーチ、球団スタッフ、審判員を含む関係者の尊厳を傷つけ、プロ野球の魅力を損なう悪質な言動を決して看過することはできません。もちろん誹謗中傷等に対しては、発信者情報開示請求等の法的措置を講じ、専門家や警察などの関係機関と連携するなどして、これまで以上に断固とした対応をとってまいります」と厳しい姿勢で対峙する方針を明かしていた。だが、それらの呼びかけや対策も、すぐには効果を示さなかった。エスコバーの訴えも氷山の一角に過ぎないのだろう。

 

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