• HOME
  • 記事
  • 野球
  • 「ホンマにありえない?」阪神のサヨナラ劇につながったオリックス中嶋監督の満塁策は正しかったのか…識者の間で割れる賛否
オリックスは9回に満塁策を取ったが打率1割台だった阪神の大山悠輔がサヨナラ打を放つ(写真は資料)
オリックスは9回に満塁策を取ったが打率1割台だった阪神の大山悠輔がサヨナラ打を放つ(写真は資料)

「ホンマにありえない?」阪神のサヨナラ劇につながったオリックス中嶋監督の満塁策は正しかったのか…識者の間で割れる賛否

 日本シリーズの第4戦が1日、甲子園球場で行われ阪神が4-3でオリックスにサヨナラ勝ち、対戦成績を2勝2敗のタイにした。阪神に先制、勝ち越しされたオリックスが2度追いつくという展開の3-3で迎えた9回にジェイコブ・ワゲスパック(29)を投入したオリックスの中嶋聡監督(54)は、2つの暴投で一死三塁となると打席途中の中野拓夢(27)、森下翔太(23)を申告敬遠で歩かせて満塁策を選択、結果、この勝負手が裏目に出て4番の大山悠輔(28)がサヨナラ打を決めた。この満塁策を巡っては識者の間から賛否両論が飛び交う事態となった。“中嶋采配”は正しかったのか?

 シリーズで不振だった大山がサヨナラヒーロー

 

 3-3で迎えた9回にドラマが待ち受けていた。
 この回からマウンドに上がったワゲスパックが一死から近本にストライクが入らない。四球で歩かせた。続く中野へのカウント1-1からのチェンジアップがワンバウンドとなり、近本が二塁へ。さらにカウント2-2からの6球目の変化球もワンバウンド。森が横に弾き、近本は三塁へ進んだ。反応と集中力に優れた好走塁だった。
 すると中嶋監督がベンチを出た。打席途中のフルカウントから中野を申告敬遠、さらに森下も続けて申告敬遠し、4番の大山勝負の満塁策を取ったのである。
 大山は、この日、5回に一死一、三塁から併殺崩れのショートゴロで1点を奪い、4番の仕事を果たしてはいたが、2三振でノーヒット。ここまでのシリーズ打率も.133と“逆シリーズ男”に近いブレーキとなっていた。
 スポーツ各紙の報道によると、岡田監督はオリックスベンチが中野を歩かせた時点で、中嶋監督の満塁策を予想したが、「フォアボールのあるピッチャーやからな。それはちょっとどうかなと思った」と、満塁策を疑問に思い、サヨナラの予感を抱いていたという。
 すでに午後10時を過ぎていたため、鳴り物応援は禁止となっていた。だが、甲子園が揺るがす大声援が大山の背中に届いた。
「冷静に行こうと思ったんですけど、ファンの皆さんの歓声が力になりました」
 岡田監督の読み通り、制球が安定しないワゲスパックは、ボールを3つ続けた。特にチェンジアップがまったくコントロールされていなかった。ファウルで2球粘った後の7球目。インハイのストレートにつまりながらも、思い切り引っ張った歓喜のサヨナラ打は、ゴロで三遊間を抜けていった。大山は打った瞬間、右手を突き上げていた。
 中嶋監督の満塁策は正しかったのか。
 識者の間で賛否両論が飛び交った。
 SNSのXに「ありえへん満塁策。吐きそう」とポストしたのは、1989年の日本シリーズで「巨人はロッテより弱い」と発言して物議を醸した元近鉄投手の加藤哲郎氏だ。
「ワゲスパックはOK。ヤバい雰囲気で空気の読めない出稼ぎ外国人は◎。しかし、ストライクが入るかどうか分からない投手に満塁策は何やねん。3-2って1番ボール球に手を出し易いカウントから」
 プレッシャーに無縁の外国人を9回に起用したことは支持したが、制球力がなく、押し出し四球の危険性があるワゲスパックに満塁策を取らせ、せっかくフルカウントまで追い込んでいた中野を申告敬遠したことを批判した。
「ホンマにありえ無い。正直、普段こんな言い方はしないが優勝出来なかったら半分は采配ミスだと思う」「満塁にしたときに阪神ファンは勝ちそうな気がしたはず。それが答えだと思う」と続け、忖度なしに中嶋采配をバッサリ。

 

関連記事一覧