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WBCで優勝した佐々木朗希が今季初登板で初勝利。6回を投げ1安打11奪三振無失点の圧巻投球だった(資料写真)
WBCで優勝した佐々木朗希が今季初登板で初勝利。6回を投げ1安打11奪三振無失点の圧巻投球だった(資料写真)

WBC優勝で佐々木朗希の何がどうスケールアップしたのか…日ハム相手に6回11奪三振無失点で今季初勝利

  侍ジャパンのWBC制覇に貢献した千葉ロッテの佐々木朗希(21)が、圧巻の奪三振ショーを演じて今季初登板で初勝利をゲットした。6日に本拠地ZOZOマリンスタジアムで行われた日ハム戦で先発した佐々木は、1回一死一塁から交代する6回まで17人の打者を連続して打ち取り、そのうち11アウトを空振り三振で奪う快投。強風を計算して配球を変え、パドレスのダルビッシュ有(36)に直伝された「スイーパー」も披露するなど、世界一を経験して「令和の怪物」はさらにスケールを増した。

 最速は164キロ

 

 マウンドからゆっくりと降りながら、手応えを込めるように、佐々木は黄色いグローブを右手でポンと叩いた。6回二死無走者。日ハムの1番・五十幡亮汰を、内角低目のボールゾーンに鋭く落ちる146kmのフォークで空振り三振に斬った直後だった。
 千葉ロッテが2点をリードしていたこの時点で、球数は上限として設定されていた「80」に到達した。一塁側のベンチ前で吉井理人監督と握手を交わし、お役御免を告げられた「令和の怪物」は、最終的に6-1で勝利した一戦で2つのマイルストーンを刻んでいる。
 ひとつは実働3年目で初めて手にしたシーズン初登板初勝利。そしてもうひとつは、日ハム打線から奪った11個の2桁三振をすべて空振りで仕留めた点だ。決め球になった球種の内訳は直球がひとつで、残る10個はすべて伝家の宝刀フォークだった。
 初回に先制タイムリーを放った中村奬吾とともに指名された試合後のお立ち台。佐々木が紡いだ言葉に、圧巻のピッチングを演じた理由が凝縮されていた。
「(WBCの後は)試合で投げていなかったので、調子自体はあまりわからなかったんですけど、手探りのなかでもどうにかいいピッチングができたと思います。初回にランナーが出て、そこから自分のペースで投げられたかな、と思っています」
 平日のデーゲームにもかかわらず、2万6169人の観衆が詰めかけたZOZOマリンスタジアムは、五十幡のバットに空を切らせた佐々木の初球から大きくどよめいた。ど真ん中へ投げ込まれた直球がいきなり160kmの大台を計測。2番・万波中正への5球目にはこの試合のマックスで、NPBの公式戦における自己最速タイでもある164kmへはね上がった。
 しかし、こん身の5球目を含めて、万波は160km台の直球を4度もファールした。フルカウントから迎えた9球目には、真ん中高目の161kmの直球をセンター前へ運んだ。バットに当てられた直球の球威は十分だった。しかし、すべてが高目に浮いていた。
 この日はセンターから本塁方向へ、最大で風速14mに達する強風が吹き荒れた。海に面するZOZOマリンスタジアムの名物でもある強風は、実はピッチャーにとって追い風にはならない。バックネット側にぶつかって吹き返しが生じる影響でマウンド付近では向かい風となり、この日も実際に投げ終えた直後の佐々木の帽子を幾度となく吹き飛ばした。

 

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