アルファタウリの角田裕毅が豪州、アゼルバイジャンGPと2戦続けて入賞を果たした。絶好調の理由とは?(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)
アルファタウリの角田裕毅が豪州、アゼルバイジャンGPと2戦続けて入賞を果たした。絶好調の理由とは?(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)

なぜF1角田裕毅は豪州、アゼルバイジャンGPで連続入賞を果たせたのか…背景に“名伯楽”の教え

 アゼルバイジャンGPではレース前半にセーフティーカーが導入され、14周目に再びスタートが切られたのだが、その再スタートで角田がオスカー・ピアストリ(マクラーレン)と繰り広げたバトルは、まさにこの2つの教訓を生かした見事なものだった。
 再スタート直後の1コーナーで後続のピアストリにわずかに先行された角田だったが、2コーナーへ向けてイン側に入ってサイド・バイ・サイドで進入した後、立ち上がりで前に出る。しかし、その直後の3コーナーのブレーキングでピアストリがアウト側に並びかけて再びサイド・バイ・サイドに。そのまま2台は並走しながら4コーナーに進入し、アウト側にいた角田のほうが加速良く立ち上がって前に出て、勝負がついた。
 1つか2つのコーナーでサイド・バイ・サイドのバトルを演じられるケースはよく見るが、4つのコーナーで連続して行われるのは珍しい。しかも、そのバトルの中で角田は一度も接触しなかっただけでなく、一瞬たりとも「引く」ことはなかった。
 トストは、今年に入ってこう言っていたことがある。
「ユウキはいずれレッドブルのマシンに乗るポテンシャルを持ったドライバーだ」
 名伯楽の目に狂いはない。
(文責・尾張正博/モータージャーナリスト)

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