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阪神の才木浩人が交流戦でロッテの佐々木朗希に投げ勝った
阪神の才木浩人が交流戦でロッテの佐々木朗希に投げ勝った

なぜ岡田阪神はヒット1本で“WBC戦士”佐々木朗希の攻略に成功して才木浩人がプロ初の9回完封で投げ勝ったのか?

 6回1安打1失点で負け投手となった佐々木は、「フォアボールと暴投がすべてです。それ以外は良かったと思うので、そこだけがもったいなかったです」とコメントしている。
 7回には2番手の八木から梅野がレフトスタンドに今季1号を叩き込み、貴重な追加点。佐々木のボールを見た後では、149キロのストレートも止まって見えたのではないか。
 一方の才木も佐々木に負けていなかった。
「自分の仕事をしっかりやることだけを考えて投げた」
 岡田監督は6回が終わった時点で、安藤投手コーチに「最後まで才木でいくからな」と伝えたという。
 9回二死までわずか1安打1四球。その1安打も2回に先頭の元巨人のポランコを完全に打ち取ったキャッチャーとピッチャーの間に転がった打球が、あまりにボテボテすぎて、才木が一塁に送球しても間に合わなかったもの。実質の投球内容は9回二死までノーヒットノーランだった。球数を要する三振を12個も奪っていたが、球数も少なく9回を前に84球。100球以内の完封を称する“マダックス”も視界に入っていたが、さすがにフォークの抜けが目立ち出して、二死を取ってから、友杉、岡に連打を浴びて、二、三塁の一打同点のピンチを迎えた。だが、3番の中村奨を追い込んでから、最後は、そのフォークをあえて使った。ワンバウンドになるほどの鋭い落差でハーフスイングを誘いゲームセット。
 5月28日の巨人戦から2試合連続で、お立ち台に呼ばれた才木は、「なんか最後凄いドキドキしたんですけど、なんとかゼロに終わってよかった」と最高の笑顔を浮かべた。
 岡田監督も「がっぷり四つというか、本当の投手戦。才木もあんまり点がとれないと思い、自分がゼロに抑えるという気持ちが伝わってきた」と、2人の競演を絶賛した。
 そして「松坂と杉山の05年の投げ合いを思い出した」と語った。
 記憶を重ねたのは、前回監督時に優勝した2005年5月18日に甲子園で行われた西武との交流戦だ。西武の先発は松坂大輔。この年、14勝13敗、防御率2.30で、最多奪三振タイトルを獲得している絶頂期の松坂と、阪神は松坂世代である杉山直久とのマッチアップだった。
 阪神は、この試合で松坂に13三振を奪われ、8回完投を許すのだが、2回に桧山進次郎の2ランで先制、5回に、この日の佐々木と同じく、相手バッテリーのミス(記録はパスボール)で満塁から1点を追加。杉山は、6回まで無失点で、松坂と堂々と渡り合い、7回から、「JFK」に突入。7回は藤川球児、8回はジェフ・ウィリアムスが2点を失い1点差に迫られたが、9回を久保田智之が締めて3-2のスコアで勝利している。

 

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