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神戸退団の決まっているイニエスタは古巣バルセロナとの親善試合に先発出場、かつてのチームメイトであるシャビ監督と抱擁した(写真・ロイター/アフロ)
神戸退団の決まっているイニエスタは古巣バルセロナとの親善試合に先発出場、かつてのチームメイトであるシャビ監督と抱擁した(写真・ロイター/アフロ)

「ベテランになってもクオリティーの高さには目を見張る」黄金期を共に戦ったイニエスタと古巣バルサのシャビ監督は何を語り合ったのか?

 国際親善試合のヴィッセル神戸対バルセロナが6日、東京の国立競技場で行われ、退団の決まっている元スペイン代表のMFアンドレス・イニエスタ(39)が先発出場した。ゲームは0-2で敗れたが、長短の正確なパスや強烈なシュートで群を抜く存在感を放ち、後半36分に退く際には、かつてのチームメイトであるシャビ・エルナンデス監督(43)と抱擁した。2人はどんな会話を交わし、場内一周のセレモニーで涙したイニエスタは、バルセロナ戦で何を伝えたかったのか。神戸のラストマッチは7月1日の北海道コンサドーレ札幌戦だ。

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 降り注いでいた万雷の拍手が、大きなどよめきに変わった。
 交代を告げられたイニエスタが深々と頭を下げ、国立競技場のピッチに別れを告げた後半36分。バルセロナのベンチからシャビ監督が拍手をしながら歩み寄り、お互いの右手をタッチさせた次の瞬間に熱い抱擁を交わしたからだ。
 笑顔で見つめ合いながら、短い会話も交わしている。ともにバルセロナとスペイン代表の中盤に君臨し、黄金時代を支えた盟友との強い絆を感じさせる光景だった。
「監督は親しみを込めて、僕にとって大切なこの場所にいられることを喜んでくれた。僕からは特別な日に、バルサのみんなが来てくれたことへの感謝を告げた」
 試合後の記者会見で会話の内容を明かしたイニエスタはその後、スペインメディアのインタビューに対して、いまもシャビ監督へ抱く思いも語っている。
「彼とはピッチ上に加えて、ピッチ外でも素晴らしい関係を築いてきた。彼には愛情と尊敬を抱いている。素晴らしい仲間であり、素晴らしい人物だ。彼のようになりたいと思って努力を続けてきたけど、いまもなお彼の領域にたどり着くのは難しいと感じている」
 2020年元日の天皇杯決勝を制し、神戸にとって悲願の初タイトルを手にした思い出深いピッチへ。左腕にキャプテンマークを巻いたイニエスタは生まれたばかりの次男を抱き、左側には長男を、背後には長女と次女、三女を従えながら入場してきた。
 日本へ抱く感謝の思いを、愛する家族とともに告げるためだった。
「自分と自分の家族を、愛情とリスペクトを持って迎え入れてくれたことに感謝している。日本は自分にとっても、本当に我が家のようなところだった」
 試合は前夜に到着したばかりのバルセロナが優位に進めた。
 前半16分にコートジボワール代表MFフランク・ケシエ(26)が、3分後にはスペイン代表DFエリック・ガルシア(22)が立て続けにゴールネットを揺らす。ともにアシストしたのはバルセロナBに所属する次世代のスター候補、MFパブロ・トーレ(20)だった。
 日本時間の5日未明にキックオフされたセルタとの今シーズン最終節を終え、そのままチャーター便で日本へ移動。前日練習も行えず、試合前のアップも10分程度にとどめながらもラ・リーガ王者の実力を見せつけるバルセロナを、イニエスタが何度も脅かした。
 あいにくの雨が降るピッチでも、次のプレーを考えた緻密なトラップや、相手の急所を突く長短のパスに狂いは生じない。自らをサッカー史上で稀有な司令塔へと昇華させたプレーの数々だけではない。この夜のイニエスタは、積極果敢にゴールも狙った。
 まずは前半31分。FWリンコン(22)が下げたボールをペナルティーエリアの左角あたりで受け、自身の前方が空いた瞬間に、イニエスタが司令塔からストライカーに変わった。迷わず右足を振り抜くも、シュートは左ポストをわずかにかすめてしまった。

 

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