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全仏OPでボールガール直撃事件で失格となった加藤が海外メディアにその舞台裏を赤裸々に語った(写真:picture alliance/アフロ)
全仏OPでボールガール直撃事件で失格となった加藤が海外メディアにその舞台裏を赤裸々に語った(写真:picture alliance/アフロ)

え?何その弁解?!「ボールガールが長く泣いていたから」「混合出場(許可)で前向きな結果」加藤未唯の失格問題への全仏ディレクター見解に批判の声

 テニスの全仏オープン女子ダブルス3回戦で加藤未唯(28、ザイマックス)が意図せず打った球がボールガールを直撃して失格処分となった問題に関してトーナメントディレクターのアメリ・モレスモ氏(43)が11日、現地で開かれた大会総括の記者会見で主催者側の見解を初めて明かした。インドメディア「スポーツキーダ」やフランスメディア「フランスインフォ」など複数のメディアが報じたもの。モレスモ氏は「多くの選手が不公平だという意見を持っていると聞いている」と認めた上で「良いか悪いかについてのコメントはしない。グランドスラムのルールブック通りで、ボールガールがあれだけ長く泣いているのを見ればなんらかの判断を下さねばならなかった」と言及。本来ならば、混合ダブルスの出場を認められないところを認めたことが“温情”で、今後、これ以上、処分の取り消しなどの措置をとらない方針であることを示唆した。この見解に対してテニスファンからは「矛盾した苦しい弁解」などの批判的な声が出ている。

 モレスモ氏はグランドスラム2度制覇の元名女性プレーヤー

 

 世界に大きな波紋を呼んだ“ボールガール直撃失格処分問題”に関して主催者側が初めて見解を示した。
 トーナメントディレクターのモレスモ氏は、まず「ロッカールーム(テニス関係者や選手の意味)のこれに関しての意見は、とても分かれていると思う。多くの人がイエス、多くの選手が実際に不公平だったと言っていると聞いている。もしボールガールを7分、8分、それ以上も泣かすようなことであれば、それは何かしらを意味しているという意見も聞いた」と、今回の問題に関しての反対意見が出ていることを認めた。
 加藤は、アルディラ・スーチャディ(28、インドネシア)と組んで臨んだ4日の女子ダブルス3回戦で、マリエ・ブズコバ(24、チェコ)、サラ・ソリベストルモ(26、スペイン)組と対戦。第2セットの第5ゲームで、加藤がポイント間にバックハンドで打ち返した球が偶然にもダイレクトでボールガールの肩から頭付近を直撃し、少女が泣き出してしまった。
 加藤は、ボールガールに駆け寄って謝罪。審判は当初、警告を出したが、ブズコバ、ソリベストルモが「失格じゃないの?」「ワザとじゃないの?」「(ボールガールが)泣いているじゃない」と失格を訴えて猛抗議。
 スーパーバイザーの判断で急転、危険行為を行ったとして失格処分となった。
 だが、ブズコバ、ソリベストルモがほくそ笑んでいたことなども手伝い、そのスポーツマンシップに欠けた行為をテニス関係者やファンからの非難が殺到。また判断を下した主催者への批判の声も上がり、加藤は「納得がいかない」と、処分の取り消しと、没収されたペアで約640万円の賞金とポイントの返還を求めて提訴。
 混合ダブルスで初優勝した際の優勝スピーチでも「ぜひ賞金、ポイントの返還をお願いします」と異例ともいえる訴えを行った。プロテニス選手協会も「不公平で不当な処分」との声明を出して主催者側に処分の取り消しと、賞金、ポイントの返還を働きかけていた。
 だが、モレスモ氏は、その訴えに応じる考えがないことを示唆した。
「私は良いか悪いかのコメントはしない。なぜなら判定を下した後にビデオを見るのは簡単なことだからだ。この決定は審判とスーパーバイザーがビデオを見ずに判断した。グランドスラムのルールに則って下した判断は明確なもの。ボールガールがあれだけ長く泣いていたことで何かしらの決断を下さなければならなかった」

 

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