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代表復帰したセルティックの古橋が完璧なヘディングシュートを決めた(写真:西村尚己/アフロスポーツ)
代表復帰したセルティックの古橋が完璧なヘディングシュートを決めた(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

「酷いレベルのチームとのマッチメイクにいろんな意見も出るだろう。しかし…」城氏が評価した森保J6-0“爆勝”の収穫点

 

エルサルバドルがここまで酷いレベルのチームだったとは森保監督も想定外だったのではないか。しかも、久保のFKから谷口のヘッドで先制した直後に、1発レッドの反則を犯して1人のディフェンダーが退場する事態となった。エルサルバドルの監督は、10人で戦わねばならなくなったというのに、ずっとツートップのシステムを変えず、しっかりとブロックも構築できずに中盤が間延びしてしまっていた。
 逆に森保監督のプランも狂ったと思うが、あれでは、日本代表がやりたい放題のゴールラッシュを演出できたのも当然。こういうチームとのマッチメイクに、いろんな意見も出るだろう。ただ、私は6-0の大勝の中で、戦術や連携、新しい戦力を試せたという意味では、収穫のあったゲームだったと評価したい。
 日本代表は「4-1-4-1」の攻撃的なシステムで臨んだ。2列目に三笘、旗手、堂安、久保とクオリティの高い4人を並べ、両サイドバックは、左が初招集の森下で右が菅原。堂安、久保、菅原の3人が連動した右サイドに目を見張るものがあった。
 久保と堂安の東京五輪世代のラインが機能した。2人は巧みにポジションチェンジを行いながら、エスサルバドルのディフェンスを翻弄した。その象徴が前半25分にペナルティエリア内にカットインしてきた三苫のパスを受けた久保がシュートを決めたシーンだろう。右ウイングの久保が、あのポジションまで入ってこれた理由が、堂安が右に流れ、カバーしていたから。また彼らは、密集でもボールをキープできるので、オーバーラップを繰り返す菅原との連携が効果的で、何度も右サイドから崩せた。3人で何でもできることを示した。
 特にここまで代表では存在感を示すことができず、チームが大躍進したカタールW杯でも、一人取り残された感のあった久保が大きな進化を見せた
 1ゴール2アシスト。結果もついてきた。
 久保の進化には3つ理由がある。
 まずはコンディション。動きにキレがあった。2つ目がメンタルの充実度。所属するレアル・ソシエダでも、9得点4アシストの成績を残してチームの中心的な存在となっているが“自分がやらねば”という責任感に裏付けされた非常に前向きなメンタルを構築した。そのメンタルの強さが、この日の自信あるプレーを生み出した。3つ目が、広がったプレーの幅だ。もちろんワールドクラスのドリブル、突破力が久保の武器にひとつで、自分でも勝負するが、視野が広がり、周りの選手を使えるようになった。レアル・ソシエダでも、その傾向が如実に見える。後半15分に中村のゴールを導いた股抜きのパスのタイミングは芸術的だった。
 元々、彼の持つポテンシャルには疑いはなく、積み重ねた経験にこの3つの進化が重なったことで久保が、ついに代表で覚醒し始めたのである。 
 2026年の北米W杯では、久保は25歳。“自分が中心のジャパンにする”という自覚があるのだろう。今後、この3つの進化を残留することになったレアル・ソシエダの中でも維持していくことが重要になる。

 

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