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アスレチックスの藤浪が延長10回を2三振を含む無失点に抑えサヨナラ劇を呼び込み4勝目をマーク(写真・アフロ)
アスレチックスの藤浪が延長10回を2三振を含む無失点に抑えサヨナラ劇を呼び込み4勝目をマーク(写真・アフロ)

「フジは成長し徐々に改善している」延長救援を成功させ4勝目ゲットの藤浪晋太郎をア軍監督が絶賛した理由とは?

 藤浪は、阪神からポスティングシステムを使い、年俸325万ドル(約4億7000万円)でアスレチックスに入団。当初は、先発起用されたものの4連敗して、中継ぎに配置転換。そこでも回跨ぎ起用されると制球難が出て“炎上”を繰り返して、地元メディアやファンの間からは、「メジャー史上最悪の投手の一人」「大失敗の補強だった」などと酷評され、3A降格を示唆する記事や、戦力外論争まで起きていた。“貧乏球団”のアスレチックスにおいてチーム5番目の高額年俸となっていることも非難の的となっていた。
 だが、あまりにもチームが弱いため、お金をはたいて補強した藤浪をとことん使い回すという球団の方針が幸いして、コッツェー監督の言葉通りに、藤浪は、徐々にメジャーリーグに適応して改善の兆しを見せ始めた。
 アスレチックス専門サイトの「Uprooted」はツイッターで「藤浪は、最近10度の登板で、防御率2.43、11三振を奪っている」と評価。
 アスレチックスの応援サイトである「Athletics Nation」も「フジナミは、延長10回に2つの三振を奪い、その剛球で二塁走者を見事にそこに釘付けにした。今日のチームにはフジのパフォーマンスが必要だった」と称賛した。
 ここまでも160キロを超えるフォーシームの威力と、ゾーンから落ちるスプリットに関しては「メジャーで十分に通用する」との評価を受けていた。
 問題は、制球難だけだったが、ここ数試合の藤浪は、腕の位置を若干下げて、リリースポイントを低く、より打者に近くするなど、ボールの“荒れ”を制御するようにメカニックを微調整していた。
 コッツェー監督が語ったように、藤浪と我慢強くコミュニケーションを取りながら、3Aに落とすこともせずメジャーの実戦の中で投げながら修正を試みるという手法が効果を見せ始めている。指揮官が「成長し徐々に改善している」と認めたのは、結果と内容が伴ってきたからだ。
 これで藤浪の成績は、28試合、42回3分の1を投げて4勝7敗2ホールド、防御率9.57、43奪三振(奪三振率9.14)、30四球、5死球、WHIP1.84となった。

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