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アスレチックスの藤浪が延長10回を2三振を含む無失点に抑えサヨナラ劇を呼び込み4勝目をマーク(写真・アフロ)
アスレチックスの藤浪が延長10回を2三振を含む無失点に抑えサヨナラ劇を呼び込み4勝目をマーク(写真・アフロ)

「フジは成長し徐々に改善している」延長救援を成功させ4勝目ゲットの藤浪晋太郎をア軍監督が絶賛した理由とは?

 アスレチックスの藤浪晋太郎(29)が1日(日本時間2日)、本拠地で行われたホワイトソックス戦の延長10回に登板し、2三振を奪い無失点に抑える好投を見せ、その裏のサヨナラ勝利を呼び込み今季4勝目を手にした。2試合続けての無失点救援にア軍のマーク・コッツェー監督(48)は、「成長が見られ徐々に改善している」と評価。「史上最悪の補強」などと酷評されてきた藤浪はフォームの微調整などを経てようやくメジャーに適応し始めている。

 最速161キロの直球で2三振を奪いサヨナラ勝利を導く

 

 土曜日のデーゲームだというのにスタンドはガラガラ。発表された観客数は9245人。それもそうだろう。23勝62敗で勝率はわずか.271のア・リーグ西地区どころか、全米で断トツの最下位なのだ。
 それでも藤浪は集中力を切らさなかった。
 6-6で迎えた延長10回に6番手としてマウンドに上がった。
 無死二塁から始まるタイブレーク。先頭の左打者、グランダルにフルカウントからアウトローギリギリに99.7マイル(160キロ)のフォーシームを投じて、そのバットに空を切らせた。続くペレスもインハイへのフォーシームで押し込みセカンドフライに打ち取った。レミラードには、初球のフォーシームがすっぽ抜けてデッドボール。二死一、二塁となり、また「悪い癖が出るのか」と、ベンチやファンをヒヤヒヤさせたが、藤浪は変貌していた。
 1番打者の左打者、ベニンテンディをカウント2-1からスプリットで空振りさせて、追い込むと100.1マイル(161キロ)のフォーシームを外角へ投げ込みスイングアウト。藤浪は、両手の拳を握って咆哮すると、ポンとグラブを叩いて駆け足でベンチへ下がった。
 藤浪の力でねじ伏せたピッチングがチームへ流れを呼び込んだ。
 その裏、送りバントを失敗するなどして、二死二塁となったが、ブレディのセカンドへのゴロをアンドロスが後逸。ラッキーなタイムリーエラーでサヨナラ勝利をつかみ、藤浪に今季4勝目が転がりこんだ。最下位に沈んでいるアスレチックス投手陣において、これまでも、たった3勝の藤浪が勝ち頭だったが、さらに1勝を積み上げた。
 地元紙のサンフランシスコクロニクル紙は、「アスレチックスがアンドロスの10回のエラーを生かしてホワイトソックスを倒す」との見出しで、アスレチックスの勝利を伝える記事の中で、藤浪の登板について触れ、「藤浪が10回に救援登板し、タイブレークの無死二塁の場面からホワイトソックス打線を無失点に抑えた。藤浪が接戦の中でのオークランドの最後の投手となり、ノーヒットの2奪三振に抑えた藤浪がシーズン4勝目を手にした」と伝えた。そして同紙は、コッツェー監督の藤浪評をこう紹介している。
「ここ2日間のフジは素晴らしかった。我々は忍耐強く取り組んできた。いくつかの役割(先発や中継ぎ)を試してきた。フジとも多く話し合ってきた。2日続けて(ストライク)ゾーンに投げ込む彼の姿を見ることができてよかった。成長が見られ、徐々に改善している」
 藤浪は、前日のホワイトソックス戦でも7回に登板。味方の好守備にも助けられ、1イニングをわずか5球で、ライトライナー、三ゴロ、遊ゴロの三者凡退に抑えていた。フォーシームを軸に制球は安定していた。

 

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