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フランスの“至宝”エムバペが来日しなくなった裏にPSGオーナーの激怒(写真・AP/アフロ)
フランスの“至宝”エムバペが来日しなくなった裏にPSGオーナーの激怒(写真・AP/アフロ)

なぜエムバペのレアル・マドリード電撃移籍合意報道が出たのか…移籍金目当てのPSGの思惑

  仏リーグアン王者のパリ・サンジェルマン(PSG)に所属するフランス代表FWキリアン・エムバペ(24)が、ラ・リーガ1部のレアル・マドリード移籍で個人合意に達したと、スペインメディアが16日に報じた。来年6月末までPSGと契約を結ぶエムバペは、新たに提示された契約延長オファーを拒否。来夏にフリーで移籍する意向を示していたが、PSGが移籍金が発生する今夏の移籍か、契約延長かの二択を提示。その去就が注目されていた。

 PSGと来年6月まで契約を残すが3年総額780億円の延長を拒否

 

 エムバペの去就を巡り衝撃的なニュースが発信された。
 レアル・マドリードに関するニュースを専門に扱う、スペインメディアの『Defensa Central』が16日に「エムバペの去就はすでに合意済み」と題した記事を配信。レアル・マドリードがアメリカ遠征を終える8月上旬に“Xデー”が訪れると報じた。
「エムバペを巡るソープ・オペラが章を増やし続けているなかで、彼と相思相愛の関係にあるレアル・マドリードは急ぐ必要はないとして冷静に状況を注視してきた。ただ、すでにオペレーション(入団発表)を行う候補日を捜し始めている」
 PSGと来年6月末まで契約を結んでいるエムバペは昨シーズン終了直後の6月上旬に、1年間の延長オプションを行使しないだけでなく、新たに提示された2026年夏までの3年間、年俸総額5億ユーロ(約780億円)にのぼる延長オファーをも拒否。現行の契約が満了する来夏をもってPSGを退団し、フリーで移籍する意向を示していた。
 新天地の筆頭候補は、昨夏を含めて過去に3度も移籍に近づいたレアル・マドリードとなる。剛腕で知られる同チームのフロレンティーノ・ペレス会長(76)も6月に、男性サポーターから「エムバペと契約しますか」と直撃された際にこう答えている。
「イエスだが、今年ではない」
 スペインのスポーツ紙『MARCA』などで報じられたこの短いやり取りは、PSGに大きな衝撃を与えた。現状のままで来年6月末になれば、フランス代表のエースストライカーも務めるエムバペを無償で手放す事態を迎えてしまうからだ。
 そこでPSG側はエムバペに対して、移籍金が発生する今夏に移籍するか、もしくは契約延長オファーを受諾するのかの二択を迫った。ヨーロッパ各国のメディア報道によれば、移籍金に関しては2億ユーロ(約312億円)が設定されているという。
 PSGのナーセル・アルヘライフィー会長兼最高経営責任者(49)は、エムバペに実質的な最後通告を突きつけた理由を次のように説明している。
「われわれの立場は非常に明確だ。エムバペが残留を希望するならば、彼は新しい契約にサインする必要がある。彼がフリーでチームを去る意向を聞いてショックを受けた。現時点で世界最高の選手をフリーで退団させるわけにはいかない。それは不可能だ」
 エムバペがPSGとの契約をまっとうし、来シーズンも引き続きプレーする意向を示しているのは、契約に定められているボーナスが関係していると見られる。
 スペインのスポーツ紙『AS』によれば、来シーズンもPSGにとどまるだけで、エムバペに対して実に8000万ユーロ(約124億8000万円)ものボーナスが支払われるという。
しかし、PSGとしても巨額なボーナスを支払い、かつ移籍金なしでレアル・マドリードへ新天地を求められてもたまらない。このまま残留した場合には、エムバペを“飼い殺し”にする構想もあるとイギリスの『INDEPENDENT』が伝えている。
「この夏に移籍金を得られない場合、来たる新シーズンの戦いで彼をベンチに置くことは、現実的ではないとPSG内では見なされている」

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