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原監督が中日戦でやっても無駄のナンセンスなリクエストを要求した(資料写真・黒田史夫)
原監督が中日戦でやっても無駄のナンセンスなリクエストを要求した(資料写真・黒田史夫)

なぜ原監督のやっても無駄な“謎のリクエスト事件”が起きたのか…背景に見える巨人がBクラスに低迷する理由

 巨人の原辰徳監督(65)が16日、バンテリンドームで行われた中日戦でやっても無駄の意味のない“謎のリクエスト”を行い、中日の立浪和義監督(53)、コーチ陣らが抗議し、ファンの失笑も買った。試合は9回に宇佐見真吾(30)にサヨナラ打を浴びて1-2で敗れた。阪神にマジック「29」が点灯した日に原監督が犯した失態にBクラスに低迷する巨人が抱えている問題が浮き彫りになった。

 中日の監督、コーチが一斉に抗議

 

 バンテリンドームを失笑とざわめきが包み込んだ。
 1点を追う巨人3回の攻撃だ。二死一、二塁の好機に3番の坂本の打球は、三塁正面のゴロ。中日の三塁手、石川昂はフォースアウトを狙い二塁にボールを送ったが、一度、ボールを握り直したため微妙なタイミングとなった。判定はアウトだったが、二塁のベースカバーに入った石垣は、アウトかセーフかわからなかったため、念のために併殺の要領ですぐさま一塁へ送球し、打者走者の坂本は明らかなタイミングでアウトだった。
 先発の小笠原や内野陣がベンチへ引き上げたが、なんと、ここで原監督が二塁の判定についてリクエストを要求した。仮に二塁がセーフになったとしても、一塁はアウトでチェンジが成立しているため、一塁ベンチの中日コーチ陣や、ベンチ裏に引っ込もうとベンチ内を歩いていた立浪監督らが、一斉に一塁ベースを指差して「一塁はアウトじゃないか!」と声をあげて抗議。選手らはインフィールドに戻り、小笠原は、一度、ファウルラインを越えてから足を止めるなど、やっても無駄の意味不明のリクエストに明らかに困惑していた。
 リプレー検証の結果は、当初の判定通りにアウトとなり、ドームは騒然。無駄にリクエストを消化した原監督もベンチで苦笑いを浮かべていた。原監督がアウトカウントを間違えていたとしか思えない“謎のリクエスト”だったが、スポーツ各紙の報道によると、試合後に原監督は「ファースト(の坂本のアウト)を見ていなくてね。あそこの場面を、一応リクエストさせてもらった」と説明したという。
 先日、原監督がコンタクトレンズを入れずに采配をふるったことが話題になったが、この日もコンタクトを入れておらず、打者走者のアウト、セーフが見えていなかったのだろうか。
 現役時代にセ・リーグでタイトルの獲得経験のある某プロ野球OBは、「巨人が低迷している問題を如実に現わした事件」と指摘した。
「2回しかない大事なリクエストを使う際には、まずベンチ内で他コーチの意見を聞くのが鉄則。冷静に判断して原監督の明らかな間違いを正すコーチがベンチ内にいなかったのか。阿部ヘッド、元木作戦コーチ、大久保打撃コーチらは何をしていたのか。さすがに誰一人、このリクエストが無駄だということに気がつかなかったということはないだろう。つまり原監督に意見のできるコーチが一人も今の巨人のベンチにいないという現実をさらけ出したと思う。言い方は悪いが、原監督の“独裁政権”で、イエスマンばかりが回りに揃っているということ。原監督が“裸の王様”ではベンチは正しく機能しない」

 

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