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千葉ロッテの佐々木朗希がボール判定に思わず苦笑いしたことが発端となり白井球審がマウンドにまで詰め寄る騒動に発展した(資料写真・黒田史夫)
千葉ロッテの佐々木朗希がボール判定に思わず苦笑いしたことが発端となり白井球審がマウンドにまで詰め寄る騒動に発展した(資料写真・黒田史夫)

佐々木朗希の判定不服「苦笑い」と白井球審の“激高”詰め寄り事件の賛否…一体誰の何が問題だったのか?

17イニング連続の完全投球を続けていた千葉ロッテの3年目右腕、佐々木朗希(20)が24日、京セラドーム大阪で行われたオリックス戦で前代未聞の事態に直面した。2回にボール判定とされた外角のストレートに対して苦笑いを浮かべたことが判定への不服と受け止められ白井一行球審(44)が詰め寄る場面があったのだ。恋女房の松川虎生(18)が間に入り、井口資仁監督(47)もベンチを飛び出すなどして、それ以上の大事には発展しなかったが、“令和の怪物”を巻き込んだ騒動にネット上では賛否が巻き起こった。一体誰の何が問題だったのか。なお試合は先頭の福田周平(29)に初球をライト前へ弾き返されて連続イニング無安打が「17」、連続打者アウトが「52」でストップ。プロ入り最多の5四死球を与えるなど制球に苦しみながらも5回を6安打2失点に抑え、無傷の3連勝で両リーグを通じてハーラートップに並んだ。

「何だ。お前!」

 目の前でいったい何が起こっているのか。今シーズン最多の2万8967人で埋まった京セラドーム大阪を騒然とさせた事態は、2回裏二死一塁の場面で起こった。  9番・安達了一(34)を0-2と追い込んだ佐々木は、一気に勝負を決めにいった。渾身の力が込められた直球は158kmをマーク。松川がミットを構えた外角低目へ寸分の狂いもなく吸い込まれ、安達も金縛りにあったかのように見送った。

 しかし、白井球審の右手は上がらない。一塁走者の杉本裕太郎(31)は、盗塁を仕掛けていた。振り返って、松川の送球がそれて、盗塁を許したことを確認した佐々木はマウンドを2、3歩降りて人工芝に入ったあたりで立ち止まった。表情には苦笑いが浮かんでいた。

 次の瞬間、マスクを外した白井球審が、おもむろにマウンドへ詰め寄っていく。ただならぬ気配を感じとった松川が慌てて後を追う。怒気を発しながら佐々木へ何やら言葉を発している同球審を右手で制し、ミットでは佐々木を動かないように止めながら2人の間に入った。

 興奮した様子の白井球審は、その松川に対しても声を荒げた。

「何だ。お前!」

 異様なムードを察した白井球審は、我に返ったかのように、それ以上、松川や佐々木に話しかけることなくホームへ踵を返した。佐々木を落ち着かせようとサードの平沢大河(24)もマウンドへ駆け寄ってきたなかで、井口監督もベンチを飛び出した。

 各社の報道によれば、井口監督は、「もうちょっと冷静にいきましょう」と白井球審に話しかけたという。

 白井球審の行動につながる伏線があった。

 2回の先頭、6番・頓宮裕真(25)へ2-2から投じた7球目。外角低目に決まった160kmの直球がボールと判定された直後だった。体をちょっとだけのけぞらせ、首を小さく横に振って不服の意を示した佐々木は、このときも苦笑いを浮かべていた。

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