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阪神の西勇が巨人戦で魂のこもった2安打完封勝利。マジックが3となった(資料写真・黒田史夫)
阪神の西勇が巨人戦で魂のこもった2安打完封勝利。マジックが3となった(資料写真・黒田史夫)

阪神の西勇輝が“魂の完封”で巨人を倒してマジック「3」…なぜ岡田監督は「1-0」勝利を理想とするのか?

 虎の子の1点は岡田監督のタクトでもぎとった。
 2回一死からノイジーがセンター前ヒットで出塁すると、続く坂本にフルカウントからエンドランのサイン。坂本が強引に引っ張った打球が、三塁線を襲い、飛び込んだ坂本のグラブを弾いた。ノイジーは一気に三塁を陥れる好走塁。もしエンドランがかかっていなければ、坂本は食らいつかなかっただろうし、ノイジーが三塁へ到達することも難しかった。
「初球から行くと決めていたので思いっきり振った」
 一死一、三塁で木浪がライトへ犠牲フライ。3回以降、巨人先発の山崎伊織が阪神打線を打者18人のパーフェクトに抑え込んだことを考えると、唯一のチャンスを逃さなかったことになる。
 だが、サインを出したのは、この2回だけ。
「今日は何もしていない」と、岡田監督が振り返った。
 実は「1-0」勝利こそ、岡田監督が「理想の試合」というゲームスコアだ。
 これは、2005年に優勝をつかんだ前監督時代から変わらない哲学である。
「ベンチがなんもせず、気が付いたら、しらんうちに勝っていたというのが理想なんや。それも1-0や。なんで1-0か。そういうゲームの1点は、1点しか取れなかったんじゃなく、好投手から1点をもぎとったということやろ。そして、それを0で守りきった。野球は守り。守り勝つ野球を表す試合が1-0なんや」
 伝統のTG戦で、その理想的な試合を演じたのも、“アレ”へ突っ走る阪神を象徴するかのようだった。
 ちなみに今季の1-0勝利は、これが6試合目。さらに今季の阪神守備陣が記録した併殺数の113は、リーグトップ。そして犠飛の43もリーグトップ。これもまた岡田監督が掲げてきた「守り勝つ野球」と「1点をもぎとる野球」を証明するようなデータなのかもしれない。
 神宮で広島がヤクルトに1-2で敗れたため、マジックは「3」になった。
 “アレ”の最短のXデーは14日の巨人戦だ。
 それでも岡田監督は神妙に言葉を選んだ。
「これは相手もあることなんでね。とにかくこっちはやる以上、一つずつでも(マジックを)減らしていけるように、また明日がんばります」
 指揮官が胸の内で望むのは甲子園のファンの前での“アレ”達成である。
(文責・RONSPO編集部)

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