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日本はイングランドに4トライを許して12ー34で完敗(写真・AP/アフロ)
日本はイングランドに4トライを許して12ー34で完敗(写真・AP/アフロ)

英メディアは日本に“ヘディングアシスト”トライで勝ったイングランドを酷評「醜い勝利」「奇妙なトライで息を吹き返す」

 日本はロンドンで行われた昨年11月のテストマッチで13-52と大敗していた。最新の世界ランキングでも、日本の14位に対してイングランドは6位。それでも大衆紙『THE Sun』は、ローズがトライを奪うまでの拮抗した試合展開をこう報じている。
「イングランドは試合開始から56分間にわたって、想像を絶する危機に瀕していた。すべてはこの大会に向けた夏場のウォームアップでも明らかだった基本的な欠点、想像力の欠如とスクラムの工夫のなさに起因していた。日本のファンは逆転勝利を信じ始め、対照的にイングランドのファンは敗戦を恐れ始めていた。最終的に勝利してベスト8進出をほぼ確定させたが、寄せ集めのようなパフォーマンスはむしろ今後のつまずきを予感させた」
 開始1分で訪れたファーストスクラムから、日本は8人が一体化したほぼ互角の攻防を展開。これがイングランドの戦略を狂わせた。高級紙の『INDEPENDENT』も「マーラーが頭で代表を救う」と、皮肉を込めながら勝利と日本の善戦を報じた。
「マーラーが頭を使うまで、イングランドは必死に慌てふためき、手探りでプレーしていた。イングランドはチーム編成を急ぐあまり、スタイルより中身を重視しがちだが、この試合ではその中身すらなかった。快活さにあふれた日本が多くのものを与えてくれた試合で最も顕著だったのは、キックの精度の低さやスクラムを含めたセットプレーのミスなど、彼らのゲームの根幹がいかに失速していたかという点だ。アルゼンチン戦に続き勝利したとはいえイングランドのグランドデザインはまだまとまっていない」
 アルゼンチン戦では全27得点がフォードのPGとDGから生まれていた。創造性に欠けている、という批判は日本の勇敢な戦いぶりと相まってさらに高まり、試合中に飛び交ったブーイングと化した。
 高級紙『The Guardian』もこう伝えた。
「イングランドはこの大会で『醜い勝利』の定義を、まったく新しいレベルへ引き上げようとしている。ヘッドコーチのスティーブ・ボーズウィックは2戦2勝という結果を、キックにこだわった戦術の正当性を示す根拠としてあげるだろう。しかし、日本に苦戦した最初の56分間を、イングランドのラグビーに対する認識が一歩前進したと称賛する人はまずいない。ボールが空へ向かうたびにスタジアムに鳴り響いたブーイングと、日本がノックオンの判定を見越してプレーを中断した隙を突いて奪ったトライが、試合全体の雰囲気を象徴していた」
 同紙も注目したのも“ヘディングアシスト”によるトライのシーン。
 日本は日本時間29日未明にチリを撃破した暫定2位サモアと対戦。決勝トーナメントへ進出するためには絶対に負けられない戦いとなる。

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