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初来日の元3階級制覇王者のカシメロ(左)と元IBF世界Sバンタム級王者の小國がフェイスオフ。カシメロは井上尚弥戦を熱望している
初来日の元3階級制覇王者のカシメロ(左)と元IBF世界Sバンタム級王者の小國がフェイスオフ。カシメロは井上尚弥戦を熱望している

井上尚弥の指名挑戦者としてWBOに“問題児”カシメロを申請「小國を倒して次は井上だ。後悔するような試合になる」

 WBCも元WBC世界バンタム級王者で、この試合の解説を務める山中慎介氏との2度にわたる戦いでドーピング疑惑や体重超過の失態を繰り返した“悪童”ルイス・ネリ(メキシコ)を指名挑戦者としており、井上尚弥が、12月に予定されているWBAスーパー&IBF世界同級王者、マーロン・タパレス(フィリピン)との4団体統一戦に勝利すると、次戦では、いずれかの団体の指名挑戦者の挑戦を受けることになる。
 伊藤氏は、「承認されれば指名挑戦者扱いとなり、ネリと同じ立ち位置になる。どっちが先かという話になってくると思う」と、井上尚弥戦実現へ期待を寄せる。
 すでに水面下では、井上陣営とコンタクトも取っており、今日の試合には、大橋秀行会長をリングサイドに招待した。また12月の井上―タパレス戦には、「本人が見に来たいのなら呼ぶ」と、カシメロを来日させてリングサイドに座らせ、井上戦をアピールさせたいという。
 以前は、カシメロ、ネリとの戦いに嫌悪感を示していた井上も、スーパーバンタム級で戦うべき4人として、その2人の名前を口にしていた。
 伊藤氏は「カシメロー井上戦は現実的です」と自信を浮かべる。
 だが、その計画をぶっ壊そうと、虎視眈々と“番狂わせ”を狙っているのが小國だ。
「明日は厳しい試合になるが倒して勝ちたい」
 まるでカシメロが小國戦に勝つことが、既成事実のように見られカシメロー井上戦ばかりが話題になっていることに対しても「先を見てもらっていい。こっちは目の前のことに必死」と受け流した。
 小國は、2016年の大晦日に、当時無敗で圧倒的に不利だと言われていたIBF世界同級王者のジョナサン・グスマン(ドミニカ共和国)からタイトル奪取するという“番狂わせ”を起こした成功体験がある。
 1年半ものブランクがあるが、アンダーカードでOPBF東洋太平洋バンタム級王座の防衛戦を行う栗原慶太(30、一力)との昨年5月のノンタイトル戦では、4回に負傷引き分けとなるまで、パンチャーの栗原に対して頭脳的なボクシングでポイントを稼いでおり、今回も準備を万端に整えた。  
 プロ野球のデータなどを扱う専門会社と提携して、カシメロの傾向を洗い出した。異例の“IDボクシング”の成果を「癖を見つけ出した。そこをついていく。トレーナーとも話し合って研究してきた」と説明した。
 先ばかりを見ていると足元をすくわれるのがボクシングの世界。
 小國は8月の会見では、進退をかけて戦うことを明言した上で「総合的に自分が勝っているものはない。でも1万回やって1回勝てばいい。作戦とかがすべてが噛み合えば、変わるのがボクシング。隙がないこともない。驚かせる試合をして勝ちたい」という話をしていた。
 そういう小國を相手に初来日となるカシメロは、目の前で大橋会長を震撼させるようなインパクトのあるファイトを見せることができるのだろうか。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

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