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YA-MANがキックルールで朝倉未来に77秒TKO勝利(写真・RISE CREATION)
YA-MANがキックルールで朝倉未来に77秒TKO勝利(写真・RISE CREATION)

なぜ朝倉未来はYA-MANに77秒の衝撃TKO負けを喫して“引退”を表明したのか…垣間見えた油断とプレッシャー…RIZIN大晦日のカードは?

 オープンフィンガーグローブを使う異色のキックボクシング大会「FIGHT CLUB」が19日、都内(場所非公表)で開催され、70㎏契約の3分3ラウンドのキックルールで総合格闘家の朝倉未来(31、JAPAN TOPTEAM)と、RISEの初代OFG65kg級王者であるYA-MAN(27、本名・杉山怜、TARGET SHIBUYA)が対戦。YA-MANが2度ダウンを奪い、1ラウンド1分17秒にTKO勝利した。試合後、朝倉は自身の公式SNSで引退を表明した。

 

ダウンを喫した朝倉未来の目はうつろだった(写真・RISE CREATION)

 「こっちの土俵とルール。これで朝倉未来に勝ったとは思っていない」

 

 何もさせてもらえなかった。
 朝倉はYA-MANに右のローからプレスをかけられて、コーナーに追いつめられると、右から左のパンチに中途半端に反応してガードを下げたところに強烈な右ストレートの一撃をまともに浴びた。崩れ落ちた朝倉は、前のめりに頭からマットにダウンした。
「あそこで終わると思った。もろに入った」
 YA-MANは、通常のグローブより薄いオープンフィンガーグローブを使った一発に手ごたえを感じていたが、もう完全に目が飛んでいた朝倉は、おそらく無意識のうちに立ってきた。
「え?立ってくるんだ?すげえ」
 YA-MANは驚きを抑えつつ猛ラッシュ。また右のフックがヒット。ロープに沿うように朝倉が倒れるとレフェリーが試合を止めた。

 77秒の衝撃TKO劇。  
 ABEMAによるPPV配信をメインにした興行で、会場は限定入場したファンだけだったが、一種異様な雰囲気に包まれた。
 あまりのダメージに朝倉は、しばらくその場を動けない。なんとかコーナーに帰ったが、一度立とうとして足がよろけ、もう一度、座り直した。リングを降りる際には、途中で階段をぴょんと飛び降り、一人で歩いてロッカーへ戻ったが「朝倉未来軍団」の先鋒としてリングに上がった白川陸斗らに「YA-MANと試合したの?」と問い直すほどだったという。
 白川は、「ダウンとかしちゃうと脳振とうがやばいので記憶が飛んじゃうんです。なんで試合したのかもわかってないし、まともに会話できる状態ではなかった」と説明した。病院には行かなかったが、主催者は、取材対応できる状態ではないと伝え、朝倉はインタビュースペースに現れなかった。
 控室でインタビューに応じたYA-MANは右手を気にしていた。その激しいダメージブローはパンチを放った側にも代償があり「(拳の)腱がずれた」という。
「自分でもまだ理解が追いついていない。朝倉未来といえば雲の上の存在だった。まったく(勝利の)実感がない。勝ったんかな、倒しちゃったのかなと」
 正直な気持ちだろう。
 ただ「1分以内KOで1000万円」の特別ボーナスをわずか17秒オーバーで逃したことは「厳しいですね」と悔しさを隠さなかった。
「こっちの土俵でこっちのルール。MMAとキックは野球とソフトボールくらい違う、まったく別の競技。これで朝倉未来に勝ったとは全く思っていない。挑発に乗って出てくれるとは思わなかった。リスペクト、感謝はあります」

 

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