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容体が心配されている穴口一輝が危機的状況を脱した(写真・山口裕朗)
容体が心配されている穴口一輝が危機的状況を脱した(写真・山口裕朗)

4度ダウンの日本タイトル戦後に開頭手術を受けた穴口一輝の容体が持ち直し危機的状況脱出もいまだ意識は戻らず

 日本バンタム級タイトルマッチ(昨年12月26日・有明アリーナ)で試合後に意識を失い、搬送された都内の病院で右硬膜下血腫の緊急開頭手術を受けた穴口一輝(23、真正)の容体が持ち直して危機的状況を脱したことが2日までに明らかになった。呼吸器系統の機能を活発化させる措置が施され、低下していた血圧が元に戻ったもの。だがいぜんとして意識は戻らず予断の許さない状況は続いている。

 呼吸器系統の機能を活性化させる措置

 

 穴口は、井上尚弥のスーパーバンタム級の4団体統一戦のセミファイナルで行われた優勝賞金1000万円の「井上尚弥4団体統一記念・バンタム級モンスタートーナメント」決勝で日本同級王者、堤聖也(28、角海老宝石)に挑戦。序盤からスピードのあるボクシングでポイントを重ねたが、4、7、9、10回と計4度のダウンを喫して0-3の判定で敗れた。最終回までインターバル間での異常は見られず、10回のダウン後も、立ち上がってしっかりとファイティングポーズを取っていたが、試合後にリング上で足が痙攣。トレーナーらの補助を受けて歩いて控室に戻ったが、そこで体に力が入らなくなり、医務室に運ばれたところで意識を失った。すぐに救急車で、都内の病院に緊急搬送され、JBCが手配していたこともあり、当直していた脳外科医が、時間のロスもなく開頭手術を行ったが、意識が戻らず予断の許さない状況が続いていた。脳内の太い血管が切れてしまっていたという。
 体の機能が低下することによる合併症などが心配されていたが、1日までに呼吸器系統の機能を活発化させる措置が施され、低下していた血圧が元に戻り、危機的状況を脱して容体は持ち直した。だが、いぜんとして意識は戻らず、予断の許さない状況は続いている。
 穴口の回復を願って井上が公式Xに「穴口選手の回復を心よりお祈り申し上げます」という言葉を寄せるなどボクシング仲間からのエールが相次いでいる。
 過去には、“浪花のロッキー”こと赤井英和氏も大和田正春氏との試合後に意識を失い、病院で開頭手術を受け一時は命も危ぶまれたが奇跡の復帰を果たした。JBCルールにより引退となったが、社会生活に支障がない状態に戻り、その後、俳優として大活躍、母校の近大のコーチを務めるまでになった。また日本ミニマム級のランカーだった矢代家康氏も、意識不明の重体となり、計4度の手術を受けたが、奇跡的に回復して大学職員として社会復帰している。

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