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全国制覇を果たした青森山田高のロングスロー戦術が批判の対象に(写真:長田洋平/アフロスポーツ)
全国制覇を果たした青森山田高のロングスロー戦術が批判の対象に(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

SNSで広がる賛否…全国制覇した青森山田高のロングスロー&ロングボール多用のサッカースタイルは本当に非難されるべきものなのか?

 2大会ぶり4度目の全国高校サッカー選手権優勝を果たした青森山田(青森)に対して、決勝から一夜明けた9日になっても、SNSやネット上では、その戦術に対する賛否の意見が飛び交い、波紋が広がっている。ロングスローやロングボールを駆使した攻撃だけでなく、フィジカルの強さを生かした球際の攻防もファウルまがいのプレーが多いとしてバッシングの対象になっている。初優勝した2016年度以降の8大会で実に6度も決勝に進んでいる高校サッカー界の“ラスボス”のスタイルは本当に非難されるべきものなのか。

 「動揺はしませんでした。“また言っているよ”みたいな」

 

 圧倒的な力の差を示しながら、全国3842校の頂点に立った青森山田の戦い方を巡る是非を問う議論が、決勝から一夜明けた9日になってもSNSやネット上で沸騰している。
 批判の対象のひとつが青森山田の代名詞でもあるロングスロー。思い切り投げる際に滑るのを防止しようと、あらかじめ用意したタオルでボールの表面を丁寧に拭く作業が無駄に時間を消費するとして、以前からロングスローが繰り出されるたびに厳しい視線が向けられてきた。
 さらに青森山田の場合、昨年末にまったく別次元の事情も加わった。
 高校生年代の最高峰の舞台、高円宮杯U-18プレミアリーグeastを制し、3度目の日本一をかけてwest王者のサンフレッチェ広島ユースと対峙したファイナル。1点を追う後半終了間際に青森山田が投じたロングスローが物議を醸した。
 ロングスローをキャッチしようとした相手キーパーと、タックルするように飛び込んできた青森山田の選手が接触。ボールは体勢を大きく崩したキーパーの手をわずかにかすめてゴールへ吸い込まれたが、主審は青森山田側のファウルを取らなかった。広島のオウンゴールで追いついた青森山田は、直後に勝ち越しゴールを決めて日本一になった。
 広島側は判定に問題があったとして、日本サッカー協会(JFA)へ質問状を送付。JFA審判委員会は「青森山田のファウルと判断できる」と回答し、さらにJFA技術委員会の反町康治委員長(59)も「私が見ても明らか(にファウル)だと思う」と言及した。
 こうした経緯もあって、審判団ではなく青森山田へのバッシングが集中した。さらに選手の具体名をあげた誹謗中傷に近い書き込みも目立った。それでも、青森山田側はロングスローそのものに対しては一貫して「是」を貫いている。
 今年度のチームでロングスロワーを担うDF小沼蒼珠(そうじゅ、2年)は、プレミアリーグファイナル後に起こった騒動をこう振り返っている。
「動揺はしませんでしたし、むしろ『また言っているよ』みたいな感じでした」
 青森山田の攻撃にロングスローを導入したのは、現在はJ1のFC町田ゼルビアを率いる黒田剛前監督(53)だった。当然のように町田でも実践する。J2を戦った昨シーズン。ロングスローへの是非が問われた時期にこんな言葉を残している。
「ルール上でダメというわけでもない以上は、われわれの武器として使っていく。相手にクレームをつけられる理由もないので、そこはぶれずに戦っていく。いろいろと言ってくる方はいますけど、それに対していちいち答える必要はないと思っています」

 

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