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全国制覇を果たした青森山田高のロングスロー戦術が批判の対象に(写真:長田洋平/アフロスポーツ)
全国制覇を果たした青森山田高のロングスロー戦術が批判の対象に(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

SNSで広がる賛否…全国制覇した青森山田高のロングスロー&ロングボール多用のサッカースタイルは本当に非難されるべきものなのか?

 ロングスローに込めた哲学は、指揮を正木昌宣監督(42)に託した青森山田とも共有されている。遠距離まで投げられる自信を込めて、自らロングスロワー役に立候補した前出の小沼は、近江(滋賀)との決勝後に自戒の念を込めながらこう語っていた。
「今大会を通じて、ロングスローからの得点がありませんでした」
 準決勝でPK戦の末に青森山田に敗れた市立船橋(千葉)は、むしろ“本家”よりも多くロングスローを投じていた。他校でも珍しい選択肢ではなくなって久しい。ボールの表面をタオルで拭く時間を短縮させる必要性はあるかもしれないが、現状では青森山田のロングスロー、というだけで非難されるのはかなり無理があると言っていい。
 決勝の後半開始早々に追いつくもその後に突き放され、最終的には1-3で涙をのんだ近江の前田高孝監督(38)は、王者・青森山田をこう表現していた。
「初めてテレビ越しじゃなく、実際に山田さんを見させてもらいましたけどマジで強かった。ただ単にロングボールとロングスローが脅威のチームじゃないですよ」
 後半15分の勝ち越しゴールはロングボールから生まれた。GK鈴木将永(しょうえい、3年)がゴールキックを大きく前線へ。そこから短いパスを2本、それもダイレクトでつないで中央を突破し、抜け出したFW米谷壮史(3年)が流し込んだ。
 もっとも、青森山田の攻撃が中盤を省略したロングボール一辺倒だったわけではない。むしろ数多く準備した攻撃の選択肢のひとつ。正木監督もこう語る。
「今年のチームの強みはカウンター、サイド、中央、背後、セットプレーと攻撃のすべてが全国トップクラスだという自信がありました」
 勝ち越しゴールの場面では、ロングボールを起点に中央突破と相手の最終ラインの裏へ抜け出す選択肢を組み合わせた。前半33分の先制点は左右にボールを大きく動かした末に、右サイドからのクロスをMF福島健太(3年)が完璧に決めた。後半25分のダメ押し点は、自陣から発動させたカウンターから近江のオウンゴールを誘発した。
 青森山田について、近江の前田監督は「前線の選手たちがとにかく上手い」とも語っている。相手の守備陣形や時間帯など、ピッチ上のさまざまな状況を選手が判断。その時々のベストの攻撃パターンを選んだ結果が、5試合で「16」ものゴールを生み出した。そのなかには優勝候補の一角、昌平(埼玉)を4-0で圧倒した準々決勝も含まれている。

 

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