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左から真吾トレーナー、WBA王者の井上拓真、大橋会長
左から真吾トレーナー、WBA王者の井上拓真、大橋会長

なぜ井上拓真は5.9東京ドーム“兄弟世界戦”に向け「つまんない試合にならない。バチバチにいく」と過激に宣言したのか?

 対戦相手の石田は、同級1位の指名挑戦者だ。
 日本スーパーフライ級王座を5度防衛した後、2017年に敵地でWBA世界スーパーフライ級王者のカリッド・ヤファイ(英国)に挑戦して判定負け。その後、再起して階級を上げ、2021年には現WBO世界スーパーフライ級王者の田中恒成(畑中)に1-2判定で敗れたが、昨年6月にWBA挑戦者決定戦で同級4位のビクトル・サンティリャン(ドミニカ共和国)を判定で下して拓真への挑戦権を得た。
 さらに昨年12月10日に大阪で行われた“世界前哨戦”でジェームス・パガリン(フィリピン)に3回TKO勝利して勢いづいている。   
 拓真は「長身でいろんなジャブを打ってくる。やり辛そうな相手」と分析しているが、大橋会長は「やり辛さはない。拓真の力が発揮できる相手」と見ている。
 石田と井上家には少ならからず因縁がある。
 大橋ジムには過去2度スパーリングに来ており、そのうち一度は井上尚弥と拳を交えた。2019年2月。WBSS準決勝のエマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)戦を3か月後に控えた井上尚弥と4ラウンドのスパーをしたのだ。井上尚弥がボディから左フック、右ストレートを効かせて、グロッキー寸前に追い詰めたが、最終ラウンドは、押し返されて「井上の調子が悪かった」と見る向きもあった。
 5年も前のスパーだが、真吾トレーナーは明確に覚えていて「尚の調子が悪かったとか言われているけれど、悪くはなくて感情的に打ちあっただけ。ディフェンスを入れないと技術が入らないからね。力強く打ち込んだしダメージも与えたと思う」と、井上尚弥の不調説を否定したものの、「しっかりと打ち合うことができる。尚弥相手にも下がらずに打ち合いにきた。その引き出しもある」と警戒心を強めた。
 拓真もその場にいたが、「結構前なんで印象に残っていない」と言う。
 昨年12月の世界前哨戦の試合後の控室で筆者は拓真戦に向けての心境を石田から直接、聞いた。
「世界戦へ向けて、いい準備はできた。井上選手は名前がある選手。対して僕は無名。盛り上がっているバンタム級で井上選手に挑戦したい。タイプが似ているんで、おもろない試合になると思うが、今すぐやっても余裕で勝てる。自信がある」
 石田は、こう豪語していた。
 この日の会見で、その石田のコメントを伝えると、拓真の表情がさっと変わった。
「盛り上がる試合をします。もうバチバチいきますよ。つまんない試合にはなんない」
 王者らしく堂々と反論した。
「日本人対決の方が逆に盛り上がっていいかも。自信はある」

 

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