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米メディアが水原容疑者を訴追した連邦当局の訴状の問題点を指摘(写真・AP/アフロ)
米メディアが水原容疑者を訴追した連邦当局の訴状の問題点を指摘(写真・AP/アフロ)

「大谷が潔白でいることは難しくなる」米メディアが水原容疑者の訴状で残った疑問点を指摘…携帯に残された「cover job(肩代わり)」と「Technically(厳密に言えば)」の2つのメッセージに注目

 NBCスポーツは「ブックメーカーは『肩代わり(cover job)』と呼んでいた。水原容疑者は『厳密に言えば(Technically)私は盗んだ』と言った。この言葉の1つ『Technically』が際立つ。水原容疑者は、盗んだか、盗んでいないかのどちらかだ。『Technically』の言葉は連邦当局が発表したほど白黒がハッキリしていないのでは?という臆測を呼ぶ。もしすべてがグレーであれば、大谷が潔白でいることは難しくなる」と指摘した。
 訴状では、水原容疑者が、どうやって大谷の口座に無断でアクセスして1600万ドル(約24億5000万円)もの送金を行ったかの手口が具体的に明かされていた。大谷になりすまして銀行に電話をかけて口座のロックを解除したことや、大谷の資産を管理していた会計士や金融の専門家に「大谷が非公開を希望している」と嘘をつき、口座にアクセスできないように工作していたことも判明している。また「ニューヨークタイムズ紙」が報じた記事によると韓国の開幕戦後にホテルの会議室で大谷と1対1で会い、すべてを告白した水原容疑者は、罪を逃れるために「借金を肩代わりしたことにしておいてくれないか」と懇願して大谷に拒否されている。
 プライベートなメッセージのやりとりでボウヤー氏が「(大谷が)肩代わり(cover job)したことがわかっている」とメッセージしたり、水原容疑者が「厳密に言えば(Technically)」と返したことが問題視されるのはわかる。だが、水原容疑者は、おそらくボウヤー氏にも「大谷が肩代わりしてくれている」と嘘をつき、掛け金の上限額のアップや、さらなる信用賭けを勝ち取っていたのだろう。「大谷にバラすぞ!」と追い込みをかけられていた相手に「盗んでいた」などの弱みは絶対に見せない。そう考えるとボウヤー氏が「(大谷が)肩代わり(cover job)したことがわかっている」と発言するのは納得がいくし、水原容疑者が「盗んだ」ことを初めて胴元に明かす際に「厳密に言えば(Technically)」と言い訳をしたとも考えられる。
 同メディアは「もし(水原容疑者が)大谷の口座から盗むに十分近い存在でありながら賭博行為自体を秘密にできる人間だったという以上のことであるならば、彼はハッキリと(真実を)言う必要がある。さもなくば彼は大谷から多額の盗難を働いたことで厳密にそして実際に罪を負うことになるだろう」と記事をまとめた。
 連邦当局は「大谷は被害者である」と断言。水原容疑者は訴追された翌日に法執行機関に出頭して身柄を拘束され、ロス連邦地裁で保釈審問が行われ、大谷との接触禁止、パスポートの返納、ギャンブル禁止、ギャンブル依存症の更生プログラムの受講などを条件に2万5000ドル(約380万円)の保釈金で保釈されている。司法取引の交渉中であるため罪状認否は5月9日に行われるが、連邦当局に訴追された内容を否定して無罪を主張することはないだろう。
 またUSAトゥデイによると、この問題を調査しているMLBも、連邦当局の捜査が終わり次第、速やかに大谷の事情聴取を行い、不正がなかったことを明らかにして幕引きをはかる見込みだという。

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