
「私は井上尚弥をKOする力を持っている」WBCフェザー級王者フィゲロアがモンスターとの再戦を熱望するフルトン戦を前に挑戦状を叩きつける!
プロボクシングの4団体統一王者である井上尚弥(31、大橋)に1階級上のWBC世界フェザー級王者のブランドン・フィゲロア(28、米国)が挑戦状を叩きつけた。フィゲロアは2月1日(日本時間2日)に米国ラスベガスで2年前に井上に8回TKO負けを喫したスティーブン・フルトン(30、米国)と防衛戦を行うが、米老舗の専門誌「ザ・リング」の取材に答えて「フェザー級は私の階級だ。誰とでも戦う。井上をKOする力を持っている」と豪語した。フルトンも井上へのリベンジ戦を熱望しており、この世界戦は、モンスターへの挑戦権の争奪戦となりそうだ。
「私は誰も怖くない」
また井上に1階級上の王者からの挑戦状が舞い込んだ。
2月1日(日本時間2日)に米ラスベガスで行われるフルトンとの再戦を前にWBC世界フェザー級王者のフィゲロアが、リニューアルした米老舗誌「ザ・リング」の「井上をノックアウトする力があるのか?」との質問に対して「そうだね」と即答。具体的にモンスターに勝てる理由をこう力説したのだ。
「特に私が彼と戦う方法なら何でも可能だ。私はユニークなファイターなんだ。サウスポースタイルでも、右構えでも戦える。アウトボクシングも、殴り合い、インファイトもできる。ほとんど何でもできる。あとは、私と私のチームが、井上との戦いをどのように分析し、どんなゲームプランを立てて、トレーニングするかにかかっている」
WBC王者で27戦25勝(19KO)1敗1分けの戦績を持つフィゲロアの特徴は身長1m75、リーチ1m84の体格とフィジカルを生かしたパワーボクシング。「ハートブレイカー(相手の心を折る壊し屋)」の異名通り、ガンガン前に出てのインファイトを得意としている。“悪童”ルイス・ネリ(メキシコ)はボディブローで沈めた。井上がフェザー級に上げた際に、壁となる“フレームの違い”を見せつけることのできるタイプのボクサーでもある。
フィゲロアは、こう続ける。
「まずフルトンとのビジネスに集中しなければならないが、フェザー級が私の階級だと感じている。126ポンド(フェザー級)が私のものであることを証明する。誰とでも戦う。私は(他の)チャンピオンに対戦を呼びかけているが、なぜ彼らが、私と戦いたくないのかわからない。私は恐れを知らず誰も怖くない。ファンが見たいカードを提供したい」
フィゲロアと井上には少なからず因縁がある。
当時、スーパーバンタム級のWBC&WBAの2団体統一王者だったフィゲロアは2021年11月に、WBO世界同級王者のフルトンと対戦して僅差の0―2判定で敗れた。フィゲロアが、試合後に「おまえが勝ったと思っているのか?」とフルトンに絡んだほど、物議を呼ぶ判定だったが、この統一戦をWBAが認めなかったため、フルトンがWBC&WBOの2団体統一王者となった。その後、両者はフェザー級に階級を上げて、2023年3月に再戦することが一度はアナウンスされたが、正式に契約書を交わしていなかったことを帝拳の本田明彦会長が突き止めて、フルトンを“強奪”。井上との対戦をマッチメイクし、モンスターは、スーパーバンタム級への転級初戦でフルトンを8回に倒してWBO&WBCのベルトを手にしたのである。フルトン戦が流れたフィゲロアは、フルトン戦を予定していた日時にマーク・マグサヨ(フィリピン)と、WBC世界フェザー級暫定王座決定戦を戦い、3-0判定勝利で王座を奪取。その後、正規王者のレオ・バルガス(メキシコ)が休養王者となったため、フィゲロアが正規王者に昇格している。
フィゲロアは、そのファイトスタイルから全米で人気があり、井上のフェザー級転向を心待ちにしている海外のファンが最も求めている対戦カードでもある。
だが、フィゲロアが井上戦を実現するには、フルトンとの再戦でリベンジを果たさねばならない。井上に恥をかかされたフルトンもまたフェザー級での井上との再戦を熱望している。