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米ラスベガス決戦でインパクトを残した井上尚弥だがパウンド・フォー・パウンド1位返り咲きはならず(写真・山口裕朗)
米ラスベガス決戦でインパクトを残した井上尚弥だがパウンド・フォー・パウンド1位返り咲きはならず(写真・山口裕朗)

井上尚弥、最新パウンド・フォー・パウンドで1位返り咲きならずも元2階級制覇王者が「いずれナンバーワンになるだろう」と太鼓判を押す理由とは?

 米老舗専門誌「ザ・リング」が7日(日本時間8日)に最新のパウンド・フォー・パウンド(階級を度外視した最強評価)のランキングを更新した。4日(日本時間5日)に米ラスベガスで逆転の8回TKO勝利を収めて全米にインパクトを残したスーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(32、大橋)は2位のまま。それでも元2階級制覇王者のポール・マリナッジ(44、米国)は「いずれ井上尚弥がナンバーワンになるだろう」と今後の1位返り咲きへ太鼓判を押した。

 1位ウシク、2位井上、3位クロフォード…7位中谷9位拳四朗

 

 注目のリング誌のパウンド・フォー・パウンドの最新ランキングが更新された。1位は、ヘビー級の3団体統一王者のオレクサンドル・ウシク(ウクライナ)で、2位が井上、3位が2階級4団体制覇王者で現WBA世界スーパーウェルター級王者のテレンス・クロフォード(米国)で上位3人の順位変動はなかった。
 メキシコの記念日「シンゴ・デ・マヨ」ウィークには、ニューヨーク、サウジアラビア、ラスベガスで3日連続でビッグマッチが開催された。だが、“問題児”のライアン・ガルシア(米国)がダウンを奪われて判定負けを喫して1年ぶりの復帰戦を飾れず、スーパーミドル級の4つのベルトを再び一つにまとめたサウル”カネロ”アルバレス(メキシコ)も、ブーイングが起きるなど精彩に欠いた試合内容での判定勝利。井上曰く、「しょっばい試合」が続いていた中で、モンスターがWBA1位のラモン・カルデナス(米国)に2回にダウンを奪われるものの、8回に逆転TKO勝利を収めた。ESPNやリング誌に「年間最高試合候補」と評されるエキサイティングな試合を演出した。
 しかし、ファンを沸かせた試合内容とは裏腹にダウンを喫した部分がマイナスに働いたのか、1位に返り咲くことはできなかった。カネロは、7位から8位に順位を下げた。そもそも井上は戦前から1位の返り咲きに期待はしていなかった。
 米国入り時の会見では、昨年5月にルイス・ネリ(メキシコ)を倒して以来のパウンド・フォー・パウンド1位返り咲きについて質問され、こう答えた。
「今回の試合で1位に返り咲くことはできないかもしれない。9月、12月、来年の4月。この3つをクリアすれば1位に返り咲ける。ムロジョン、ニック・ボール、中谷です」
 モンスターを相手に大善戦したカルデナスだが、戦前はトップクラスのボクサーとの対戦経験がなかったことから評価は低く、アンダードッグと見られていた。パウンド・フォー・パウンドの1位を勝ち取るには、対戦相手のレベルや評価も重要となるため、井上がカルデナスが相手では難しいと考えていたのも無理はない。
 この先、立て続けに3試合のビッグマッチが計画されている。
 9月14日に名古屋でWBA暫定王者で元WBA&IBF王者のムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)を迎え討つ防衛戦の契約は完了、12月には1階級上のWBA世界フェザー級王者であるニック・ボール(英国)への挑戦が計画されている。そしてその2試合をクリアすれば、来年5月には東京ドームで、今回の最新のパウンド・フォー・パウンドランキングで順位を一つ上げて7位となったWBC世界バンタム級王者、中谷潤人(M.T)とのスーパーマッチが予定されている。それらをクリアすれば1位へ返り咲くのでは?と井上は目論んでいる。
 その井上が描く輝く未来を支持する声がある。元IBF世界スーパーライト級、元WBA世界ウェルター級の2階級制覇王者のマリナッジだ。米専門サイト「ボクシング・シーン」の取材に答え、井上の1位返り咲きの可能性を強調した。

 

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