
なぜ巨人は阪神に勝てないのか…エース戸郷が“天敵”森下に先制2ランを浴びて岡本のいない打線は才木に129球完封を許す…対虎の失策はすでに「12」で2勝8敗
5回の打席で代打を送られた戸郷はまだ今季白星がなく4敗目である。そのうち3敗が阪神戦。エースが勝てないのだから、今季阪神との対戦成績が2勝8敗も当然なのかもしれない。
戸郷は2回以降は、変化球でうまくまとめて立ち直り、得点を許さず、阿部監督は「すごく状態は上がってきている。なんとか1勝して欲しい」と評価したが、内容的には復調には程遠い。
なぜ巨人は阪神に勝てないのか。
データがそれを如実に示している。
対阪神のチーム防御率は3.93。全体でのチーム防御率が2.90だから阪神戦に限っていえば1点も悪い。“天敵”を作っているのも問題だ。
森下は巨人戦で4試合連続アーチ。阪神の日本選手では1991年の八木裕以来34年ぶりだという。森下の巨人戦の打率は4割を超え7回には貴重な犠飛も記録した。
一方の攻撃陣も、対阪神となるとチーム打率が.239から.206へと急降下。1試合の平均得点は1.8点で、本塁打は、甲斐、岡本、若林の3本しかない。その3本のうちの1本を打った岡本は長期離脱。オーダーの構成に四苦八苦している。
秋広、大江を放出しての2対1トレードでソフトバンクから獲得したリチャードは、ここまで2本塁打を放っているが、この日は、2三振を含む4タコで打率は.158まで下がった。
前出の評論家は、「高めにストレートを見せられ、低めのボールゾーンの変化球に誘われるという縦の揺さぶりに弱い。ソフトバンク時代の欠点を克服できていない。スイングに怖さはあるが、頭の中を整理すると同時にボールを見極めることをもっとしていかなければ救世主にはなり得ないでしょう」という厳しい見方をしている。
また対阪神戦の失策が12もある。チーム失策数28のうち12が阪神戦だ。記録に残らないミスをカウントすれば、もっと数字は大きくなるだろう。ただでさえ投打で、圧倒されている阪神にミスが重なれば勝率は下がる。
巨人は6回までリードしているゲームの勝率は93%だが、その勝利パターンが阪神戦では作れていない。今日21日の巨人の先発は左腕の井上で阪神がビーズリー。先制点と序盤の粘り強い守りがポイントになるだろう。