
大橋会長が「井上尚弥は3度逃げた」という英有名プロモーターの挑発に「本人はアフマダリエフ戦を要望していた」という新事実を明かして反論
プロボクシングの大橋ジムの大橋秀行会長(60)が27日に横浜BUNTAIにて公開で行われたダブル世界戦の前日計量後に英大物プロモーターの発言に噛みついた。スーパーバンタム級の井上尚弥(32、大橋)は9月14日に名古屋でWBA世界同級暫定王者のムロジョン・アフマダリエフ(30、ウズベキスタン)と対戦する契約が完了しているが、ダブル世界戦に備えて来日中のマッチルーム社のエディ・ハーン氏(45)が「3度逃げられた」と発言したことに対して「井上本人がやりたがっていた」という新事実を明かして反論した。
力石vsヌニェスの代理戦争
日本のボクシング界では異例となる公開計量はダブル世界戦に臨む4選手が揃って一発でパスした。WBO世界バンタム級王者の武居由樹(大橋)と挑戦者の同級7位のユッタポン・トンデイ(タイ)は、握手から始まるフェイスオフ。前日のアナウンスにも限らず51人が集まったファンからは「タケイ!」「ヨシキ!」と声が飛び「すごいうれしかった。自分のTシャツを着てくれていた人もいて力になった」と目を輝かせた。
今回は初のメイン。「プレッシャーにはなるが、自分はそれを力に変えてきた選手。プレッシャーをかけた方が力になる」と堂々としていた。
IBF世界スーパーフェザー級王座決定戦に挑む同級3位の力石政法(大橋)と同級1位のエドアルド・ヌニェス(メキシコ)のフェイスオフは、対照的に緊迫した雰囲気。互いに睨みあいを続けてJBC職員に制止され握手もしなかった。
大橋会長は「怖かった。睨みあった時、殴り合ったらどうしようか」と心配したという。ヌニェスのまるで、鋼鉄のような肉体にも「凄かったねえ」と驚きを隠さなかった。
力石は「別に冷静でスイッチが入ったわけじゃない。僕も向こうもこの日のためにやってきているんで、高まるのは当然じゃないですか。大事なのはメンタル。相手は、28勝28KOの怪物みたいな選手なんで。その選手に立ち向かう勇敢なメンタル、勇気がしっかりと必要」と自分に言い聞かせた。
異例の公開計量を実施した理由は、米ラスベガスでの井上尚弥のファイトウィークでの盛り上がりを参考にしたもの。大橋会長は「ラスベガスが凄かったんでね。集まるかが心配だったけれど、声もかけてくれて、いい試みになったと思う。まだ(こういうファンサービスが)日本のボクシング界は整備されていない。遅れている」と説明した。そして9月14日に名古屋の「IGアリーナ」で行われる井上vsアフマダリエフ戦でも公開計量を行う考えを明かした。
「チケットを含めて井上の場合は(通常の)20倍から30倍だから、1000人前後が集まるのでは」と早くも大フィーバーを予測した。
今回、アフマダリエフのプロモーターであるマッチルーム社の最高責任者のハーン氏が、ヌニェスのプロモーターであることから来日している。ハーン氏は前日の公式会見後に囲み取材に応じて「9月は簡単な試合にならない。MJ(アフマダリエフ)が勝つと信じている。今までの相手のようにはならない」とアフマダリエフの勝利を宣言。その根拠を聞かれ「プロモーターとして、3度も逃げられたと感じている。だからだ」と発言した。
ハーン氏は「MJのパンチはカルデナスより強い。ネリよりもテクニックはベター。この階級で言えば、今まで戦った誰より頭もいい、ボクシングスキルも比べものにならない」とも付け加えた。