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井上尚弥と2度戦ったドネアが6.14アルゼンチンでWBA世界バンタム級暫定王座決定戦に挑む(写真・山口裕朗)
井上尚弥と2度戦ったドネアが6.14アルゼンチンでWBA世界バンタム級暫定王座決定戦に挑む(写真・山口裕朗)

不可解!「なぜ3人目の世界王者が必要?」井上尚弥と2度戦ったノニト・ドネアが6.14アルゼンチンでWBA世界バンタム級暫定王座決定戦…堤聖也が休養王者でバルガスが正規王者なのになぜ?

 プロボクシングの元5階級制覇王者のノニト・ドネア(42、フィリピン)が電撃復帰して、6月14日にアルゼンチンで行われるWBA世界バンタム級暫定王座決定戦で同級8位のアンドレス·カンポス(28、チリ)と対戦することが1日、明らかになった。米専門サイト「ボクシング・シーン」などが報じたもの。ドネアは、スーパーバンタム級の4団体統一王者の井上尚弥(32、大橋)と2度戦い、2023年7月のWBC世界同級王座決定戦で判定負けして以来、約2年ぶりの再起戦が即世界戦となった。WBA世界同級王者の堤聖也(29、角海老宝石)が目の手術で休養王者となり、暫定王者だったアントニオ・バルガス(28、米国)が正規王者に昇格したばかり。ドネアありきで3人目の“世界王者”を作るWBAの不可解な方針にSNSなどでファンから批判の声が飛び交っている。

 相手は唐突に8位にランクインしたフライ級のカンポス

 驚きのニュースを米専門サイト「ボクシング・シーン」がスクープした。井上と2度にわたる激闘を戦った42歳の“レジェンド”ドネアが、2年ぶりに電撃復帰し、いきなりWBA世界バンタム級の暫定王座決定戦に挑むというのだ。
 同サイトによるとアルゼンチンのブエノスアイレスでWBAが毎年開催している恒例の「KO to Drugsフェスティバル」(6月13日から4日間)の一環として、この暫定王座戦が6月14日に行われ、相手は6月1日に発表されたランキングで唐突に8位に入った元WBOラテン米フライ級王座、元WBAボリビア地域同級王座のカンポス。
 このニュースを追いかけた米「リング誌」によると、ドネアは、5月4日に米ラスベガスで井上がラモン・カルデナス(米国)に8回に劇的逆転TKO勝利した試合を現地で観戦して「再びリングに立ちたいという衝動にかられた」という。
 ドネアはその前日計量の後にESPNのゲストとして放送席に招かれ、井上に「戦い続けるモチベーションはどこにあるんだ?」などと直接インタビューをしていた。
 また前出の「ボクシング・シーン」に「モンスターとまた踊りたい。118ポンド(バンタム級)のチャンピオンの中谷と戦い、そして4団体統一王者に挑戦してすべてのベルトを手にしたい。そしてモンスターと戦うとき、私はそれができると思っている。これが僕のゲームプランだ」と語るなど、井上との3度目の対戦、そしてWBC世界バンタム級王者の中谷潤人(M.T)へ挑む思いを明かしていた。
 ドネアは2019年11月にWBSS決勝を兼ねたWBAとIBF世界バンタム級統一戦で井上と対戦して判定負け、その後、WBC世界バンタム級王者に返り咲き、2022年6月に井上と再戦したが、2回TKO負けを喫した。力の差は歴然だった。
 それでもドネアは、2023年7月にWBC世界バンタム級王座決定戦に抜擢され、アレハンドロ・サンティアゴ(メキシコ)と対戦したが、0-3判定で敗れた。このサンティアゴから2024年2月に6回TKO勝利でベルトを奪ったのが中谷である。
 ドネアはそのサンティアゴ戦以来、リングに立っていない。
 ドネアは、4階級制覇王者のローマン・ゴンサレス(ニカラグア)、元2階級制覇王者のファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)との対戦交渉を行ってきたそうだが、実現に至らなかった。だが、一方でWBAに5位以内にランキング復帰できるように働きかけていて、5月1日にいきなり5位に入った。すべてが6月14日のWBA暫定世界王座決定戦への布石だったのだろう。
 だが、非常に不可解な暫定世界戦だ。

 

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