
「彼はしり込みしない」横浜DeNAバウアーが告訴されていた女性との和解条項違反の裁判に勝訴でメジャー復帰の可能性は出てくるのか…米SNSでは賛否噴出
横浜DeNAのトレバー・バウアー投手(34)が性的暴行を受けたと訴えられていた女性(リンジー・ヒル氏)との裁判に勝訴した。ロサンゼルスタイムズ紙など複数のメディアが報じたもの。バウアーはヒル氏と和解していたが、米ロサンゼルス上級裁判所は、ヒル氏が和解条項に違反したとして賠償金30万9832ドル2セント(約4490万円)を支払うように命じた。一貫して無罪を主張してきたバウアーは金銭が発生することなくヒル氏と和解したが、ヒル氏やヒル氏の弁護士が「金銭を受けとっていた」との虚実の情報を流していたため和解条項違反となった。今回の勝訴は希望を捨てていないバウアーのメジャー復帰につながるのか。そうなれば横浜DeNAとしては大きな痛手となるのだが…。
約4490万円の賠償命令も女性は不服を申し立て
バウアーの潔白を証明する可能性のある裁判の勝訴があった。
ロサンゼルス裁判所は、2021年5月にバウアーに強姦を受けたと告発し、その後、無実を訴えるバウアー側から名誉棄損で反訴され、2023年10月に和解していた案件について、女性側のヒル氏に和解条項違反で賠償金30万9832ドル2セント(約4490万円)を支払うように命じた。両者は和解条件として「和解に金銭のやりとりがあったと話すこと」を禁じていたという。これに違反すると、1件につき1万ドル(約145万円)の罰金が科されることになっていた。ヒル氏は、ポッドキャストなどのメディアを使い「バウアーから金銭を受け取った」と虚実の発言を行い、ヒル氏の弁護士も「保険で30万ドル(約4350万円)を受け取ること」を明かしていた。今回、裁判所は、それらの違反が22件あり、その22万ドル(約3100万円)と、弁護士費用などを含めて、計30万9832ドル2セント(約4400万円)の支払いを女性側に命じたものだ。
だが、ヒル氏は、この判決に不服を申し立て、アカウントが停止されたXでの投稿を再開。「彼のキャリアを取り戻そうとしてきた試みをさらに遅らせる」と、メジャー復帰を希望しているバウアーの邪魔をすることを宣言し、「彼は私から1セントたりとも取れないだろう」と、この賠償命令に真っ向から反論した。
当時ドジャースに所属していたバウアーは、このヒル氏の告訴で、2021年7月2日からMLBと選手会に制限リストに入れられ、試合出場ができなくなった。2022年2月8日に証拠不十分として不起訴となったが、MLBは4月29日に324試合の出場停止処分を科した。のちに処分は194試合に軽減されたが、2023年1月にドジャースはバウアーを解雇した。働き場所を失ったバウアーは、この年、横浜DeNAと契約している。バウアーは2023年10月2日にこの女性と和解した。被害を訴えた女性側と、暴行の訴えは事実ではないとして名誉毀損で反訴したバウアー側との和解の際に金銭のやりとりは一切なかったという。バウアーは一貫して無実を訴え刑事責任も問われていない。
だが、バウアーは昨年もメジャー球団のどこからもオファーがなくメキシカンリーグでプレー。今季からは2年ぶりに横浜DeNAに復帰し、ここまで10試合に先発し、3勝3敗、防御率3.30の成績を残している。だが、メジャー復帰の希望はあきらめていない。
今回の勝訴でメジャー復帰の可能性が出てくるのか。