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巨人のキャベッジが痛恨の“暴走”で同点機を逃す(3月の資料写真・AP/アフロ)・
巨人のキャベッジが痛恨の“暴走”で同点機を逃す(3月の資料写真・AP/アフロ)・

巨人が阪神との“伝統の一戦”に1-2で惜敗した理由はキャベッジの「野球を知らない」“暴走”だけではない…後手を踏んだ阿部監督のベンチワークに捕手4人制の盲点と坂本勇人の“限界”

 巨人が1日、甲子園での首位阪神との“伝統の1戦”に1-2で惜敗して連勝は3でストップ、ゲーム差は4.5に広がった。1点を追う7回に代打でライト前ヒットを放ったトレイ・キャベッジ(28)が二塁を狙う“暴走”でアウトになるというミスがあったが、敗戦につながるミスはそれだけではなかった。1回から8回まで毎回走者を出しながらも9残塁。阪神を追撃すべき阿部巨人が手痛い星を落とした。

 “天敵”才木からの先制機をオコエの盗塁失敗で潰す

負けに不思議の負けなしーと説いたのは“名将”故・野村克也氏だ。
 首位の阪神に3.5ゲーム差につけていた3位の巨人は、甲子園で1―2の惜敗。だが、負けるべくして負けた理由があった。
 阿部監督がベンチで長い時間下を向き悔しさを隠さなかったのがキャベッジの暴走だ。1点を追う7回に交流戦途中から打撃不振でスタメンから外しているキャベッジを代打に使った。キャベッジは阪神4番手の桐敷から弱い打球をライト前へ運んだが、二塁を狙ってタッチアウト。中野が飛びついた打球を猛チャージしてきた森下は素手で捕球してそのまま二塁へ送球するという“神プレー”を見せて、ヘッドスライディングを試みたキャベッジが刺殺されたもの。1点差の7回の先頭打者で。次が5回に二塁打を放っている丸からトップに返るという打順を考えると、無理をする場面ではなかった。
 スポーツ各紙の報道によると、試合後、阿部監督は、「『野球を知りません』というのと、アグレッシブは紙一重かもしれないけど、それで済ませて欲しくない」と、苦言を呈したという。
 巨人の犯した“チョンボ”はそれだけではなかった。
 1回二死一塁から4番の吉川の打席でオコエが盗塁に失敗して、昨年から対巨人に26イニング連続無失点の続いている才木を攻略できる機会を逃した。カウント0-1からの2球目にエンドランを仕掛けたがファウルになっていた。追い込まれてスプリットが予想されるカウントで続けざまにオコエはスタートを切ったが、才木―梅野の阪神バッテリーには読まれていた。ストレートで投球を外されて余裕のアウト。サインの中身はわからないが、見えないベンチワークで後手を踏んだ。吉川は、この日、3安打の猛打賞。野球に“たられば”は通用しないが、動かなくていい場面だった。
 バッテリーの配球ミスも目立った。
 その裏、交流戦から先発に転向して4試合目となる西舘は一死二塁から、中央大の1年先輩の森下をスライダーで空振りの三振に斬って取るも、続く「先制点を取りたかったんでどんどん積極的にいった」という佐藤にフルカウントから先制のタイムリー二塁打をライト線に引っ張られた。インコースをギリギリに突いたカットボール。コースもボールも悪くはなかった。打った佐藤を褒めるべき場面かもしれないが、現役時代にタイトル獲得経験のある評論家の一人は、「ここは慎重に攻めて歩かせてもいい場面。ボールゾーンに投げるべきだった。バッテリーの配球ミス」と指摘した。 
「また3回にも、第1打席で、せっかくスライダーを意識させた森下に対して5球連続でストレートで攻めるという偏った配球でタイムリーを許した。頭脳戦でも巨人が下手を打ったという印象が強い」

 

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