横浜DeNAの三浦監督と阪神の矢野監督がCS前日会見で抱負を語った(写真・黒田史夫)
横浜DeNAの三浦監督と阪神の矢野監督がCS前日会見で抱負を語った(写真・黒田史夫)

どうなるセのCS?!阪神の8年ぶり“下克上“はあるのか?

 今日8日からセ、パのクライマックスシリーズ(以下CS)のファーストステージが同時開幕する。セ・リーグでは7日、リーグ優勝したヤクルト、2位横浜DeNA、3位阪神の監督及び選手会長(主将)がオンラインで前日会見を開き、それぞれがキーマンなどを含めた意気込みを語った。連続日本一を狙うヤクルトが勝ち抜くのか。それとも過去に“下剋上”の経験のある横浜DeNA、阪神の両チームがレギュラーシーズンのリベンジを果たすのか。熱い戦いは横浜スタジアムでの横浜DeNA対阪神からスタートする。

 矢野監督「3位から挑戦」三浦監督「勝ち上がってもう一度やり返す」

 

 静かな火花が散った。
 横浜スタジアムで行われたCS前日会見には、矢野監督と選手会長の近本、三浦監督と主将の佐野が出席。新型コロナ対策もあり、ヤクルトの高津監督、選手会長の小川はリモートで参加した。
 3位からの下克上を狙う矢野監督が「この4年理想と夢を語り戦ってきた。引き続き熱い思いを持ってCSでまた挑戦できることをうれしく思う。その戦いがプロ野球ファン、タイガースファン、そして野球をやる子ども達にカッコいいなとか、憧れられるようなものが伝わると信じて3位から挑戦していく」と語れば、近本も、「3位からの下克上ですが、CSセを盛り上げて日本一を目指して頑張っていきます」と誓った。
 一方、本拠地ハマスタで阪神を迎え撃つ横浜DeNAの三浦監督と佐野も「反撃」という今季のスローガンをキーワードに固い決意を口にした。
「リーグ優勝に届かず悔しい思いをした。でも横浜スタジアムで17連勝という熱い戦いを繰り広げることはできた。明日からもっともっと熱い戦いをお見せできるように頑張っていく」
 そして、その横浜DeNAと阪神の勝者を12日から神宮で開催されるファイナルステージで待ち受けるヤクルトの高津監督も「昨年に引き続き、このCSをクリアして、次へのステップとして日本一を狙って連覇できるように頑張っていきたい」と言い、「矢野監督とは同級生(共に53歳)。三浦監督(48歳)とも同じ時代を戦ってきた仲なので嬉しく思う」と付け加えた。
 まずはファーストステージの戦いである。
 2位の横浜DeNAかそれとも3位の阪神か。
 今季の両チームの対戦は16勝9敗と横浜DeNAが大きく勝ち越しており、特にハマスタでは、現在8連勝中で11勝2敗と抜群の相性だ。球団新記録のハマスタ17連勝を記録するなど無双状態でもある。
 三浦監督は「紙一重の試合が多い。ひとつ間違えればガラっと変わる試合がたくさんあった」と警戒心を持ちながらも「昨年に引き続き今年も目の前でスワローズの胴上げを見て悔しい思いをした。勝ち上がってもう一度やり返せるように頑張っていきたい」と力強かった。
 一方の阪神も苦手意識があることを否定しない。
 矢野監督が「打線はホームランが出たり、つながったり、控えのレベルも高い。三浦監督になって投手陣をバランスよく整えてこられた」と言えば、近本も「今年は横浜スタジアムでよく打たれ、よく抑えられた。なんとか2勝をチーム全体で勝っていきたい」と語る。4番の大山は、ハマスタで打率.088、0本塁打、2打点とまったく打ててない。
 ただCSのファーストステージに限っていえば決して2位の本拠地チームが地の利を得ているわけではない。過去14回のCSを振り返ると、3位チームが勝ったケースが昨年の巨人を含めて8度ある。

 

関連記事一覧