
阪神の藤川監督が石井、岩崎を温存して中日に延長戦で敗れた采配がSNSで賛否…「他の投手で十分にいけるという判断」の発言も物議を醸す
また藤川監督の「他の投手で十分いける」という発言は、自軍のブルペン陣の層の厚さや1軍ベンチに入れているメンバーの実力を認めたものだったのだろうが、一部のファンはそれを中日打線を見下した“暴言”だと受け取り、問題視する声も少なくなかった。
「そんな舐めた事を言うてええんか」
「あんまり余裕をかましてると足元をすくわれるよ。1つ1つしっかりと勝ちを拾わないと」
「それ言うたらアカンやん。 相手もあるし、金を払って観に行って、その日にしか行けなかった人もいる。小遣いを貯めて観に行ってる子もいるかも知れん。 戦術上そうかも知れんけど、それは言わぬが花」
中日ファンと思しき人からは、「イマイチなピッチャーでも中日打線は抑えられるってか? 結局は対戦成績で負け越して恥ずかしいな。球児さん」との皮肉を交えた批判もあった。
この1敗で対戦成績は中日の6勝5敗となり、しかもここまで中日は4連勝と勢いに乗っていた。
阪神は4回に高橋、森下の打球処理のミスなどで1-2と逆転を許した。だが、7回に二死から森下の16号ソロで追いついた。藤川監督は8回に湯浅、9回に及川の勝ちパターンの2人を投入した。その及川は先頭のボスラーに四球を与え、佐藤にバスターエンドランを決められるも、ボスラーがスタートを切っておらず、無死一、二塁止まり。さらに中日は、この打席まで3安打1打点の山本にツーストライクと追い込まれた後もバントを強行させて失敗。続く石伊はショート併殺打に倒れるなど、阪神は中日の記録に残らないミスやチグハグなベンチワークに助けられゲームの流れをつかみかけていた。
ただ10回には勝野に中野、森下、佐藤が三者連続の空振り三振に斬って取られ、流れが揺れ動いていただけに11回にはなおさら隙を見せず石井を投入すべきだったのかもしれない。貯金「18」で2位の巨人に9ゲーム差をつける余裕があるからこその采配で、リードしていない展開での投入には、ためらいがあったのかもしれないが、たとえ勝てなくとも上位チームの引き分けは、勝利に相当する。
藤川監督は13日のヤクルト戦後の勝利インタビューでこうコメントしていた。「選手達の疲弊がここから先さらにハードになってくる。(疲れがたまらないように起用を)分散しながら、岩崎や石井は、なかなか勝負から逃げられないところもあるが、野手の主力メンバーが立ち向かってくれているから、ファンの方にねぎらってもらって、明後日からオールスターまでみんなで頑張っていきたい」
分散起用か、石井、岩崎の投入か。そこが悩ましい点ではあったが、2人を温存した選択は、結果的に裏目に出た。だが、先を見据えたこの采配の答えが出るのは、シーズン終了後。そして何より昨年手術した高橋が275日ぶりの復帰マウンドで球持ちのいい独特のボールを披露。6回を4安打2失点(自責1)の内容にまとめて存在感を示したことが一番の収穫だった。
虎ファンの一人がSNSでこうつぶやいていた。
「51勝33敗で2位に9ゲーム差を付けて独走してても1敗したその日の夜はボロカスに言われるんだもん。監督業って大変だよな。藤川監督は、雑音を気にせずこのまま優勝まで導いて欲しいと切に願う」
今日16日は才木と高橋宏のエース対決。こういう物議を醸したゲームの後だけに、なおさら重要な1戦となる。