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井上尚弥に敗れたアフマダリエフが当日の運営進行にクレームをつける苦しい言い訳(写真・山口裕朗)
井上尚弥に敗れたアフマダリエフが当日の運営進行にクレームをつける苦しい言い訳(写真・山口裕朗)

見苦しいぞ!「ウォーミングアップの時間が足りずに力を発揮できなかった」井上尚弥に判定負けのアフマダリエフが母国に戻り激白…運営進行にクレームをつける苦しい敗因の言い訳

 実際、試合内容は、ウォーミングアップの時間など関係のない技術戦で、井上は、ガードとステップワーク、そしてまるで映画「マトリックス」のような超絶のボディワークでアフマダリエフのパンチをことごとくかわしていた。
 被弾したのは4ラウンドの左ストレート、5ラウンドの右フック、最終ラウンドの右フックくらいだろう。
 じれたアフマダリエフが5ラウンド、9ラウンドに「打って来い!来い!」とジェスチャーで挑発したが「倒しに行くことを我慢することがテーマだった」という井上は、のらなかった。逆に中盤からは「距離感を把握」し、ジャブ、ワンツー、左右のボディ、カウンターの右アッパーなどの井上の効果的なパンチが要所で確実にヒットしていた。「(いけば倒せるシーンは)結構あった。ダメージを与えていけるシーンもいくつかあった」という井上の手応えは誇張ではない。だが、5月のラモン・カルデナス(米国)戦でのダウンを教訓に最後まで無理はしなかった。
 米データ会社COMPUBOXが、パンチ数を井上が585発(ヒットは141発)、アフマダリエフが376発(同62発)だったことを発表したが、この数字がすべてを物語っていて、ウォーミングアップの影響が勝敗を左右するような僅差の試合内容ではなかった。それでも最後までヒリヒリした緊張感のある戦いに名古屋のIGアリーナを埋めた1万6000人のファンは感動を覚え、大善戦したアフマダリエフが花道を去る際に、大きな拍手を送り健闘を讃えた。せっかくの好ファイトに、こんな見苦しい言い訳で水を差すのは残念でならない。
 アフマダリエフは母国のファンを前に再起を宣言した。
「全力を尽くしました。しかし、勝敗はアッラーから与えられるものです。神の御心があれば、私たちはさらに強くなって戻ってきます」
 試合後に陣営のプロモーターは「必ず戻ってくる。井上選手を(今後の対戦)リストに入れ注目していきたい」と、再戦を狙う考えを示唆した。だが、大橋秀行会長は、「ちょっと今の(今度の対戦予定の)面子だと(再戦は)ないねえ。チャンピオンになったりすれば別だけど」と否定的だった。
 アフマダリエフの帰国後の発言を報じた前出の「Zamin」は、こう記事を結んでいる。
「彼の執念と精神的な強さはファンに大きな希望を与えた。アフマダリエフは新たな勝利へ向かう道へ『必ずさらに強くなって戻ってくる』と自信を示した」
 井上戦で評価を下げることのなかったアフマダリエフの“今後”に注目が集まる。

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