超異例事実が発覚!「結果にどこからも批判の声が出ない正々堂々フェアな判定を」主催者である那須川天心の帝拳サイドが井上拓真陣営に3人のジャッジ選択を任せていた!
いよいよ24日、トヨタアリーナ東京で那須川天心(27、帝拳)と井上拓真(29、大橋)のWBC世界バンタム級王座決定戦が行われる。今日23日に都内で前日計量が行われ、オフィシャルのジャッジ構成も発表されるが、本来であれば大会主催者の帝拳がWBCに推薦するジャッジの人選を対戦相手の大橋ジムに任せたことが明らかになった。今回の世界戦は判定決着になると見られており、その判定に関してどこからも批判の声が出ないように帝拳サイドが配慮したもの。天心勝利への自信の表れであり、世間の注目を集めているビッグマッチの価値や権威を重要視した異例の決断となった。
日本人2人とメキシコ人の3人
異例の決定が水面下で進んでいた。
判定決着が濃厚と見られているビッグマッチの行方を左右する重要な3人のジャッジの人選を、本来その推薦権利を持っている興行主の帝拳サイドが、相手の大橋サイドに任せたのだ。
関係者によると「試合結果にどこからも批判の声が出ないようにしたい。正々堂々とフェアな判定として評価されるように」との理由で、帝拳サイドが決断したという。
世界戦のジャッジは、認定団体、つまり今回の場合は、WBCが決定するが、総会に出席して講習を受けていることなどの条件などもあり、あらかじめ「このジャッジを起用しなさい」と指令してくるパターンや、プロモーターが推薦してWBCが認定するケースなどのあらゆるパターンがある。今回は、日本人同士の対決で、日本人ジャッジが起用される可能性が高かったため、WBCはその人選をプロモーターである帝拳サイドに委ねた。だが、帝拳が選んだとなると、微妙な判定で天心が勝利した際に「天心に有利な判定をする人選をした」と、あらぬ疑いや批判の声が飛び交う事態になりかねない。
帝拳の世界のボクシング界におけるプロモート力の大きさや影響力は広く知れている。業界内では、だからこそ何事も帝拳がそこまでやらなくてもいいほど、なにごとにおいてもクリーンに対応していることで通っている。実際、2017年に村田諒太がWBAミドル級タイトルに初挑戦した際に、ダウンを奪い、試合内容で圧倒しながらも、ジャッジの2人がアッサン・エンダム(フランス)を支持して判定負けにされる“事件”もあった。のちにWBAはエンダム勝利に付けたジャッジ2人に半年の資格停止処分を下したほどの大誤審だったが、“帝拳パワー”がジャッジに影響を及ぼすのであれば、こんな事態が起きることはあり得ないだろう。だが一般ファンにはそれらの実情は伝わりにくい。
天心は、ボクシングに関心のなかった層をひきつけているだけになおさらで、今回帝拳サイドは、批判の出るリスクを回避するため、ここまで細部にわたって配慮を示したのだ。

