現地取材した「ドバイ野球って何だ」?TBS番組で話題の新プロ野球リーグはオイルマネーに頼らず“8ラン”もありの奇想天外ルール…参戦中のムネリンは「僕が一番楽しんでいる」
Baseball Unitedには“オイルマネー”は入っていない。具体的な金額は非開示だが「アメリカで必要十分な資金調達が可能になったため」だと山村氏は理由を説明する。
原資は、MLBの殿堂入り投手 マリアーノ・リベラ氏、MVP遊撃手 バリー・ラーキン氏、通算3000本安打の エイドリアン・ベルトレ氏 らビッグネームの出資金で、それを消費し続けているのが現状だ。
次のフェーズは、地元での追加資金調達になる。山村氏自身は前職のコネクションを活かし、公式球にはSSKを採用。また球場で販売する今治産の応援タオル、メガホンなどの日本製グッズ展開でスポンサー開拓を進めている。
「これから継続的にリーグを運用して、さらに拡大していくためにスポンサー集めや投資家を募っています。日本は世界で2番目の野球マーケット。しっかり日本の要素も取り込んでいきたいですね」
日本での認知度を一気に高めたのが、TBSの番組「バース・デイ」での「PLAN D」との連動企画だ。
プロ野球を目指しながらも夢を断たれた選手たちに、もう一度チャンスを与えるトライアウトプロジェクト。リーダーを務めたのは、2012年から海外球団を渡り歩き続け、現在も独立リーグでプレーしている川﨑。この企画から3名が合格し、Baseball Unitedでプレーすることになった。少なくない話題を振りまいた企画に、川崎も感謝の念を示す。
「PLAN Dで一般の人達に応募していただいて、それは非常にありがたいことですよね。みんなが1つの夢に向かって、何よりも夢を諦めずにやることがどれだけ大事なのかということを、今回の番組でよくわかったと思います。僕も感謝しております」
さらに今回は初となるNPBのDeNAから田内と吉岡の2名が派遣された。これについて山村氏はこう語る。
「横浜ベイスターズさんには選手育成のツールとして使っていただければ。我々としても日本へのマーケティングになりますし、ほかのNPB球団も関心を持ってくれています」
現地の観客は満員にはほど遠いが、ソフトバンク、西武、横浜のユニフォームを着た日本人ファンの姿が徐々に増えている。ドバイに住む欧米系、日本人の“野球好き”がスタンドの中心層だ。

