箱根駅伝“サプライズ無き区間エントリー”から見えてきたレース展望…エース黒田が流れを作る青学大が優勢で追う駒大…國學院大、早大、中央大が波乱演出候補?!
前回大会は青学大が連覇を果たして、駒大が2位、國學院大が3位、早大が4位、中大が5位。11月の全日本大学駅伝は駒大が2年ぶりの栄冠に輝き、中大が2位、青学大が3位、國學院大が4位、早大が5位に入っている。〝5強〟のなかでも優勝争いの中心となりそうなのが青学大と駒大だ。
まずは3連覇を目指す青学大の勝ちパターンを探ってみよう。区間エントリーは以下の通りだった。
1区荒巻朋熈(4年)、2区上野山拳士朗(1年)、3区宇田川瞬矢(4年)、4区平松享祐(3年)、5区松田祐真(1年)、6区石川浩輝(1年)、7区佐藤愛斗(2年)、8区塩出翔太(4年)、9区佐藤有一(4年)、10区折田壮太(2年) 補欠/黒田朝日(4年)、鳥井健太(3年)、中村海斗(3年)、飯田翔大(2年)、遠藤大成(2年)、小河原陽琉(2年)
前々回は4区間(2、3、7、8区)、前回も4区間(2、4、9、10区)で当日変更を行った。今回も同じようなかたちになるだろう。順当ならエース黒田朝日(4年)を3年連続となる2区に入れてくるはずだ。
黒田は〝5強〟のなかで2区のキャリアがずば抜けている。前々回は区間歴代4位(当時)の1時間6分07秒で区間賞、前回は1時間5分44秒(区間新)の区間3位。順位も9位→2位、10位→3位と急上昇させており、今回も絶対エースが〝流れ〟を作るだろう。
そして青学大のストロングポイントとなるのがピーキングの巧みさだ。特に3区と4区はライバル校の想定を上回る快走を何度も見せてきた。今回も同区間で〝ミラクル〟を発揮するのではないだろうか。
“山”は変更がなければ、1年生(松田祐真、石川浩輝)が担うことになる。「若林宏樹と小野田勇次の1年時と同じレベルで走ってくれるでしょう」と原晋監督。ルーキーイヤーの若林は1時間10分46秒で区間3位、小野田は58分31秒で区間2位だった。トップでタスキを受け取ることができれば、大きく崩れることなく、“山”を乗り切ることができそ
うだ。
青学大は往路を7度制しているが、そのすべてで総合優勝まで突っ走っている。今回は登録選手上位10人の10000m平均タイムが28分01秒08と過去最速。8区に同区間で2年連続の区間賞を獲得している塩出翔太(4年)、10区に10000m27分43秒92の折田壮太(2年)を登録しており、トップで山を駆け下りることができれば、そのまま逃げ切る
だろう。
それから全日本6区で区間賞を獲得した飯田翔大(2年)、前回10区区間賞の小河原陽琉(2年)も当日変更で起用される可能性が高い。本番のオーダーを想定すると、青学大が優勢なような気がしている。

