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オランダGPでの角田裕毅(アルファタウリ)のリタイヤが姉妹チームであるレッドブルの優勝を助けたとの陰謀説が流れてSNSで一部過激なファンが誹謗中傷をする“炎上騒動”に。その真相とは?に(Photo by Peter Fox/Getty Images)
オランダGPでの角田裕毅(アルファタウリ)のリタイヤが姉妹チームであるレッドブルの優勝を助けたとの陰謀説が流れてSNSで一部過激なファンが誹謗中傷をする“炎上騒動”に。その真相とは?に(Photo by Peter Fox/Getty Images)

なぜF1角田裕毅とレッドブル戦略担当がSNSで誹謗中傷される“炎上騒動”が起きたのか…その陰謀説の真相とは?

 オランダGPの終了後、優勝したレッドブルの戦略担当エンジニアのハンナ・シュミッツと、角田裕毅(アルファタウリ)に対して、一部過激なファンによる誹謗中傷がSNS上で書き込まれる事態となっている。

 なぜ一部のファンが異なるチームに所属する2人を誹謗中傷したのか。 それは、レース終盤に角田がリタイアしたことが、結果的にレッドブルの有利に働き、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が優勝したからだ。  今年のオランダGPはタイヤの選択が難しく、レースは各チームのピット戦略が鍵となった。ポールポジションからスタートしたフェルスタッペンはソフトタイヤを履いてスタートした後、レース序盤に1回目のピットストップを行い、2回ストップの作戦を採って、トップを走っていた。

 そのころ、2台ともミディアムタイヤでスタートしていたメルセデス勢はレース中盤にピットインし、ミディアムタイヤからハードタイヤに交換し、1ストップ作戦でフェルスタッペンを追っていた。

 先頭を走っていたのはフェルスタッペンだが、メルセデス勢2台との差は徐々に詰まっていた。さらにフェルスタッペンはもう1回ピットインしなければならない。

 このとき、トップのフェルスタッペンと2位を走っていたルイス・ハミルトンの差は13秒で、3位のジョージ・ラッセル(ともにメルセデス)との差も16秒で、ピットストップロスが約18秒のザントフォールト・サーキットでは、このままフェルスタッペンがピットインすれば、メルセデス勢2台の後方に下がり、レース終盤はメルセデス勢2台を追い上げるレースになる状況が待っていた。

 ところが、ここで角田がマシンに異変を感じて、コース上でストップ。なんとか自力でピットインしたものの、再度コースに復帰すると1周もできずにすぐにコース上にマシンを止めてリタイアしたことで、その角田のマシンを安全に撤去するために、レースコントロールは、バーチャル・セーフティカー(VSC)を出して、コース上を走るマシンの速度を強制的に落とした。  こうなるとピットインするマシンとコース上を走るマシンの速度の差が縮まり、ピットストップロスタイムも小さくなるため、フェルスタッペンはピットインしてもメルセデス勢に抜かれることなく、コースに復帰できる。つまり、不利な状況に陥っていたレッドブルとフェルスタッペンは、角田が止まったことによって形勢逆転に成功したわけだ。

 その状況で国際映像がレッドブルの戦略担当エンジニアであるシュミッツが微笑んでいるシーンをとらえたため、一部のファンの怒りに火をつけた。というのも、レッドブルと角田が所属するアルファタウリは姉妹チームで、なんらかの陰謀があったのではないか、との憶測が生まれたのである。

 

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