
巨人マー君が2軍戦で14安打6失点の大炎上も辛口で知られる大物OBが「引退勧告」ではなく「田中は復活できるはずだ。涌井、岸の投球を学べ」と激励エールを送ったワケ
巨人の田中将大投手(36)が25日、ジャイアンツタウンでのイースタン・リーグの横浜DeNA戦に先発し、5回途中までに91球を投げ被安打14、6失点と大炎上して降板した。5月2日に2軍落ちして以来、この日が6試合目の登板で18日のロッテ戦では6回を無失点に抑えていたが、また1軍復帰は遠のいた。残り2勝に迫っている通算200勝も不透明の状況だが、巨人OBでヤクルト、西武で監督を務めた広岡達朗氏(93)は、「やりようによっては復活できるはず。涌井、岸の投球を学べ」と、ローテーを守っている中日の涌井秀章(39)、楽天の岸孝之(40)の両ベテランの名前をあげて激励エールを送った。
最速147キロも毎回ピンチを作る
マー君に復活気配が見えない。
横浜DeNAの2軍にめった打ちにされた。
立ち上がりに1軍メンバーでもある石上、梶原に連打を浴びて二死二、三塁にされると、5番の井上にど真ん中に甘く入るチェンジアップを捉えられてライトを強襲された。湯浅がダイビングキャッチを試みるもグラブを弾き2点を成功された。さらに2回には森、石上の連打などで一死満塁のピンチを作ると、梶原の一ゴロの間に3点目を失い、続く蝦名は147キロのストレートで三塁ゴロに抑えたものの、3回も二死二、三塁から9番打者で育成捕手である上甲に高めに浮いたカットボールをセンター前へ運ばれて2点を追加された。4回こそ無失点に抑えたが、5回にまた高見沢、勝又に連打を許して、上甲に抜けたスプリットを打たれて2打席連続となるセンター前タイムリー。屈辱の6点目をスコアボードに刻まれることになった。続く森のバントがダブルプレーになったところで桑田二軍監督から交代を告げられた。
最速は147キロで三振はゼロだった。
スポーツ各紙の報道によると、マー君は「厳しくいき(攻め)きれていなかった。この結果を受け止めて、また前に進んでいかないといけない」と冷静に振り返って前を向いたという。
昨年オフに楽天を自由契約となり、巨人に拾われ、移籍後初登板となった4月3日の中日戦で5回を投げて5安打1失点とゲームを作り、日米通算198勝目をマークした。だが、4月17日の横浜DeNA戦で、2回7安打6失点と大炎上、5月1日の広島戦でも3回で8安打3失点と打ち込まれ、翌日から無期限の2軍落ちを命じられた。2軍では、ここまで5試合に登板して2勝1敗、防御率1.85で、前回の18日のロッテ戦では6回80球を投げて被安打5、無四球6奪三振無失点に抑えて1軍復帰が見えていた。しかし、この日の大炎上でまた1軍のマウンドは遠のいた。
巨人OBの広岡氏は、「ストレートは147キロは出ているんだから、やりようによっては復活はできるはずなんだ」と激励エールを送った。
「そもそも田中がそう勝てないことはわかっていた。シーズンを通してローテーを守るのは無理だ。だが、日米200勝利はできる。ヤンキースでローテーを守ってきた経験と実績がある投手だ。バッターに考えさせて、打ち損じを誘えば、ゲームは作れるはずなんだ。コントロールと、いかにストレートを速く感じさせるかという組み立て、そしてフォームだろう」