「私は栗山に投票しなかった。一方で川相が落ち資格を失うのはおかしい。選ぶ方に疑問あり」栗山英樹氏の殿堂入りと2票足りず“落選”の川相昌弘氏の資格喪失に球界重鎮が緊急提言!
野球殿堂博物館は15日、都内で通知式を開催して2026年の野球殿堂入りを発表し、エキスパート表彰で元日ハム監督で2023年のWBCの優勝監督でもある栗山英樹氏(64、現在日ハムCBO)が選出された。次点は前阪神監督の岡田彰布氏(68)と元阪急の長池徳士氏(81)。またプレーヤー表彰、特別表彰については該当者無しとなった。プレーヤー表彰では元巨人で現ディフェンスチーフコーチの川相昌弘氏(61)が当選必要数にわずか2票届かず本年度を限りに同部門の資格を失った。今回の結果を受けて1992年に殿堂入りしている巨人OBでヤクルト、西武で監督を務めた広岡達朗氏(93)が緊急提言した。
原辰徳氏は「野球殿堂になるべくしてなった素晴らしい野球人であり人格者」
「本当にまさか…自分が入っていいのかという思いがいまだにある」
資格を得て4年目で殿堂入りを果たした栗山氏はそう恐縮し、「色んな人たちの思いでこういうチャンスをもらった。その人たちに喜んでいただけるならすごく嬉しい」と続けた。
東京学芸大からドラフト外のテスト生で1984年にヤクルトに入り、ゴールデングラブ賞を受賞して首位打者争いしたこともあるが、プロ7年間での通算安打は、336安打に留まった。メニエール病などに苦しみ引退後、テレビのキャスター、解説者、白鴎大の教授など20年以上の充電期間を経て、コーチ経験がないまま、2012年から日ハム監督に就任すると、初年度にリーグ優勝。その秋、花巻東高でメジャーを希望していた大谷翔平をドラフトで1位指名して口説き落とし、二刀流を認めて育成した。
日ハムの監督を10年務めて、リーグ優勝2度、2016年には日本シリーズで、広島を破って日本一にも輝き、2023年のWBCでは監督を務めて世界一となった。
栗山氏は、「才能ではなくて、多くの野球への思いが大きなものを作り出すことができるということを実感している」と、殿堂までたどり着いた自らの野球人生を表現した。
大谷の二刀流の成功には、球団フロントの方針と共にその才能を認めて二刀流への挑戦をバックアップし、計画的に育成した栗山氏の手腕が大きかった。それでも栗山氏は「2つやるということではなくてピッチャー大谷、バッター大谷の2人が間違いなくプロのトップレベルになる、エースで4番になる感覚があったので、誰もどっちかをやめましょうと言えなかった。本人もごく自然な感覚だったと思う」と説明。
「ただ2つやることで体を壊すことだけが怖かった」と振り返り、2016年7月3日のソフトバンク戦で「1番・投手」のリアル二刀流で起用して、先頭打者として初球を本塁打にしたシーンを「ひとつ記憶に残っているいいこと」としてピックアップした。
「一生忘れられない。こういうことを凄いという。こっちが信じて前に進めば色んなことが起きると教えてもらった。大谷はその象徴」
さらに昨季のドジャースとブルージェイズのワールドシリーズ第3戦で大谷が2本塁打、2二塁打、4連続敬遠を含む5連続四球で9打席連続出塁の驚異的な活躍をした試合をあげて「こっちの想像以上のことが試合で起こる。世界のトップに立つロマンというか、今まで見たことのない野球の面白さをずっと体現している」と称えた。
監督を任されたWBCでは、その大谷を決勝の米国戦でリリーバー起用するという大胆な戦略で世界一に輝いた。その点についても栗山氏は「野球を作ってくれたアメリカに行って勝つんだと思ってやったが、素晴らしい選手たちが、それを実際に見せてくれた」と謙虚だった。
通知式でゲストスピーカーを務めたのは、栗山氏が東海大相模高のセレクションを受けた中学時代に声をかけてもらったことがあり、ずっと「背中を追い続けてきた」という殿堂入りの先輩でもある憧れの元巨人の原辰徳氏。
「野球殿堂になるべくしてなった素晴らしい野球人であり人格者」
3歳年上の原氏はそう賞賛。
「現役時代はガッツ。監督としては時には選手に目線を合わせ、あるいは下から選手を見上げなら、時には先生のように教育する人心掌握術、栗山野球を確立させた」と紹介した。

