「大谷翔平が欠場したのは残念だった」”引退試合”チェコの”投げる電気技師”が110㎞魔球で侍Jを5回途中まで”ゼロ封”…東京ドーム総立ち拍手に「予想もしない信じられない体験」
WBC1次ラウンドのプールC最終戦が10日、東京ドームで行われ、日本がチェコを9ー0で下した。感動を呼んだのは、今大会を限りに引退を表明していたチェコ先発のオンジェイ・サトリア(29)。ドジャースの大谷翔平(31)が調整のため欠場したことを残念がったが、110キロ前後の魔球のチェンジアップを操り、5回途中まで6安打無失点に抑えた。4万2000人を超えるファンのスタンディングオベーションで見送られ「予想もしない信じられない体験だった」と”世界一優しい”日本のファンに感謝感激していた。
「引退は頂点で迎えるべき」好投にも引退意思は変わらず
大谷、鈴木誠也らのレギュラーメンバー5人を入れ替えた”消化試合”だったとはいえ、国内外の超トップスターが並ぶ侍ジャパンをキリキリ舞いさせた。
最速は128.5キロしか出なかったが、自ら「ワーカー(働き者)」と名付けた100キロ前後のチェンジアップを駆使して翻弄。
立ち上がりの一死二塁のピンチも村上宗隆、吉田正尚を連続外野フライに打ち取るなど、球数制限で降板する5回二死二塁まで日本に得点を許さなかった。岡本和真、周東佑京、牧原大成からは三振を奪った。
MLB公式サイトが、映画『スター・ウォーズ』のジェダイを引き合いに出し「ジェダイの心理マジック!この投手が強力な日本を止めた」と報じた幻惑投法。ちなみに「スター・ウォーズ」の大ファンでもあるサトリアは腕に「ダース・ベイダー」「ダース・モール」などのタトゥーを彫り込んでいる。
本業は最大手エネルギー会社「ČEZグループ」の電子技師。つまりアマチュア投手が日本のトッププロを2大会連続で封じ込めたのだ。
サトリアはまだ29歳だが、今後起業を目指すため、今大会限りの引退を表明していた。5回一死二塁で森下翔太をレフトファウルフライに打ち取ると、パベル・ハジム監督が交代を告げるためにマウンドに歩いてきた。ハジム監督は自分の帽子を取り深く頭を下げた。サトリアは笑いながら首を振り、マウンドを降りた。彼は振り返り満員の東京ドームのスタンドを見つめた。4万2000人を超えるファンのスタンディングオベーションが起きた。しばらくその光景を眺めたあと、ベンチへ向かうと、チームメートが彼を祝福した。サトリアは一人一人と抱き合った。
チェコメディア「CTスポーツ」によると、サトリアはその東京ドームのファンの反応に驚いたという。
「まったく予想していなかった。本当に強烈な瞬間だった。マウンドを降りるとき、言葉では説明しづらい気持ちだった。東京ドーム全体から拍手をもらうなんて信じられない体験だ。まだしばらくその余韻をかみしめることになると思う」
スタンドには父親を含む家族も応援に来ていた。
「父にとってもとても大事な経験だった。生で僕たちの試合を見ることができたし、満員の東京ドームの雰囲気を体験できた。ここでの応援がどんなものかも感じられただろう。3年前はそれがかなわなかった。今回ここに来てくれたことを本当にうれしく思う」

