衝撃証言…”怪物養成ジム”から鮮烈TKOデビューしたアマ6冠”ザ・サンダー”片岡雷斗の何がどう凄かったのか…敗者のプロ10年の日本ランカーが「あんなパンチは受けたことがない」
ボクシングのアマ6冠の“ザ・サンダー”片岡雷斗(19、大橋)が24日、後楽園ホールで行われたライトフライ級6回戦でプロデビュー、日本ライトフライ級6位の大橋波月(27、湘南龍拳)を6回1分15秒TKOで下した。大橋秀行会長(60)は「来年には世界へ挑戦させたい」と明言。”怪物養成ジム”大橋ジムからまた一人期待のホープが誕生した。
自己採点は30点
選ばれしボクサーなのかもしれない。
最終ラウンド。
ここまで5ラウンドのポイントは片岡がほぼ支配していた。倒されない限り勝利は、もう手の内にあった。片岡の脳裏にリングサイドの最前列に座っていたスーパーバンタム級の4団体統一王者のモンスター、井上尚弥のことがふとよぎった。
「倒すよりかは気持ちを出そう。特別な(井上)尚弥さんならきっと倒す。でもそれは難しい。まずはしっかり戦おう」
19歳のスーパールーキーは己を見つめた。
中間距離からロープを背負わせてワンツーを連発させた。大橋の左のこめかみあたりが小さく切れた。さらに左フックで大橋の目が泳ぎ、もたれかかるようにクリンチにきた。ふりほどき、もう一度ワンツーを叩き込み、力なく後ずさりしたところで中村レフェリーが割って入った。
大橋を抱えてTKOを宣言した。
片岡は喜びを表現しなかった。
リング上でマイクを向けられると「最高に楽しかった」と笑ったが、後楽園の控室前の通路で囲み取材に応じた片岡の自己採点は「30点」。
「大橋波月さんの気持ち、技術が強かったから自分を出せなかった。100点の動きはしたが、大橋さんが強かったからもっと低い点数になった。そうなってしまったのが自分の弱さ」
デビュー戦でプロがなんたるかを日本ランカーに教えられた。
「緊張や焦りはなかった。でもスパーをやっていて、あそこまで相手の気持ちが見えたことがなかった。倒すぞという気迫。プロアマを通して初めて感じた感覚。怖さではない。ただプロってこんな感んじなんだと」
習志野高で5冠。2023年にアジアユースの51キロ級で優勝し、NTTドコモの映像配信「lemino」とサポート契約を結び、大橋ジム所属選手として2028年のロス五輪を狙っていた。だが、適性階級の51キロ級が五輪階級ではなくなり、55キロ級で戦わねばならなくなったため、プロ転向を決意した。アマ戦績は57勝1敗でほぼ無敵だった片岡が、プロ10年、16戦のキャリアを持つ日本6位のランカーの洗礼を浴びた。
1ラウンドから左ジャブのスピードで圧倒。続けざまに見舞った左フックでぐらつかせた。すぐ終わるかに思えた。だが、敵陣営が発した「左フックに気をつけろ」の声が耳に入った。
「手ごたえはあったんですが、それで心が揺らいだ。(カウンターを)もらうんじゃないか、という気持ちになった。経験不足」
手が止まったときに逆に右ボデイを食らった。

