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井上尚弥は統一に成功したバンタム級の4つのベルトの返上とスーパーバンタム級への挑戦を表明した(写真・山口裕朗)
井上尚弥は統一に成功したバンタム級の4つのベルトの返上とスーパーバンタム級への挑戦を表明した(写真・山口裕朗)

井上尚弥が“モンスター”「最終章」と位置づけたスーパーバンタム級の標的…名前を明かさなかった4人のボクサーとは?

 プロボクシングのバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(29、大橋)が13日、横浜市内のホテルで記者会見を開き、4つのベルトの返上、スーパーバンタム級への転級を正式に発表した。井上は、世界初となる2階級4団体制覇を目標に掲げ、スーパーバンタム級での戦いを「最終章となる」と位置づけた。標的とするボクサーが4人いるという。現在のスーパーバンタム級の世界王者は、WBC&WBOがスティーブン・フルトン(28、米国)でWBA&IBFがムロジョン・アフマダリエフ(28、ウズベキスタン)の2人。井上が心に描く4人のライバルの名前とは?

 「ここから先が本当の戦いになる」

 

 目の前に4つのベルトが並ぶ。
 井上は、その思い出と努力の結晶であるベルトの返上を発表した。2018年5月にジェイミー・マクドネル(36、英国)を衝撃の1ラウンドTKOに葬って獲得したバンタム級最初の世界王座となるWBAのベルトは、2019年11月のWBSS決勝で当時の同スーパー王者のノニト・ドネア(40、フィリピン)に勝利したことで、スーパー王座に“格上げ”されたが、つい先日届いたばかりで、この日が初披露だそう。
 昨年12月13日にWBO世界同級王者のポール・バトラー(34、英国)を倒して達成した4団体統一王者の“至福の時”がたったの1か月ほどで終わるのは、もったいない気がしないでもないが、「4本持って戦えないので返上の時期はいつでも良かった。ベルトは自分にとって宝だが次へ進みたい」と井上は前を向いた。
「体格はバンタム級が適正だが、やり残したこともなく、戦いたい相手もいないのが現状でスーパーバンタム級への挑戦を決めた。自分よりでかい相手への挑戦、自分自身への挑戦でもあり、ここから先が本当の戦いになる。ワクワクしている」
 スーパーバンタム級での目標もハッキリとしている。
「2階級4団体統一達成は世界初。そこを狙っていきたい」
 比類なき王者と称される4団体統一を成し遂げたのは井上で9人目だが、それを2階級にまたがって成し遂げたボクサーはいない。6階級制覇をした“レジェンド”マニー・パッキャオ(フィリピン)でさえ無理だった。
 バンタム級での4団体統一には4年8か月が必要だった。バンタム級は井上にとって通過点だった。4月に30歳になる井上の今回の挑戦は「最終章になる」と言う。
「バンタム級で(4団体統一が)4年8か月かかったように、スーパーバンタム級で本当にアジャストして戦っていくにはそれくらいの年月が必要かなと考えている。スーパーバンタム級が最終章と言っていいじゃないか。大橋会長はフェザー級でも(通用する)と言っていただいてるが考えていない」
 決定事項でもなく「その時のパフォーマンス次第」とも言うが、一応の目安として「35歳引退説」を明かしてきた井上にとって、未知のスーパーバンタム級への挑戦には、そういう覚悟が必要となる。

 

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