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井上尚弥は中谷潤人戦で距離を制した(写真・山口裕朗)
井上尚弥は中谷潤人戦で距離を制した(写真・山口裕朗)

井上尚弥が「news zero」生出演で“放送事故”指摘?!6年前に明かした35歳引退プランを「変わっていない」も「練習で妥協が入れば辞める」…フェザー挑戦は「危険を伴う」と明言せず

 プロボクシングのスーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(33、大橋)が6日、日テレ系のニュース番組「news zero」に生出演し、2日に東京ドームで中谷潤人(28、M.T)を3-0判定で下したビッグマッチを振り返った。自らが選ぶベストシーンの映像を番組が取り間違える“放送事故”を躊躇無く指摘した井上は、6年前に明言した35歳引退プランや、フェザー級挑戦へ向けての現在の心境を明かした。

 井上が選んだベストシーンのアッパーVTRを取り間違える

 モンスターが生出演で番組の“放送事故”を指摘した。
 中谷戦のベストシーンを井上が自ら選ぶという企画の中で、実際には選んでいない違ったシーンのVTRが流れたのだ。
 井上は困ったように苦笑いを浮かべ、「このシーンじゃなかったです…」と伝えると、スタジオ内がざわついた。「え、違う、ちょっとスタッフ」。MCの藤井貴彦氏があわてた。
 井上が選んだのは11ラウンドに中谷の左目に眼窩底骨折を負わせた右のショートアッパーだったが、番組がVTRで流したのは、同じラウンドでその井上が選んだ右アッパーの後に放った左アッパー。実はこの左アッパーは、ワンツーの後に右足が着地する前に左足1本でジャンプして放った驚異の空中アッパーとしてSNSでバズったシーン。おそらくそれらの情報を目にしていたスタッフが間違えたのだろう。
 だが、井上は冷静に「この試合を通じて一番ダメージを与えたアッパーショットがあるんです」と自ら言葉で紹介。
「後半、父からのアドバイスで『ショートアッパー、ショートアッパー』と耳に聞こえていて、その距離に持っていく瞬時に出た。ダメージを与えることができた一発」
 そう説明した。
 藤井アナは「大変申し訳ごさいません」と謝罪した上で、その前に紹介していた紙一重で中谷のパンチを外し続けていたディフェステクニックに重ね「私たちのパンチがかすめてしまいました」と絶妙のユーモアでフォロー。そして、井上の出演時間の最後にVTRの編集が間に合い、その井上が選んだ本物の右アッパーシーンが2度流れた。
 井上は「よかった、よかった。あの(間違った)アッパーシーンで通すか自分も迷ったんですが」と“放送事故”を指摘したことに葛藤があったことを明かした。ウソの言えない誠実な性格。超ハイレベルのテクニックな詰まった極上の35分間の戦いだっただけに間違った情報をファンに伝えることを躊躇したのだろう。
 井上は中谷が近距離から放った右を外すと同時に内側から突き上げた右アッパーを「ショートで肘から突き上げるアッパー。見えていなかったと思う。間違えて(VTRで流した)アッパーよりもダメージが大きかった」と解説した。
 実はこのアッパーは、中谷が至近距離の戦いを挑んできた時のために用意していたパンチだった。
 父で専属トレーナーの真吾氏は、「もし詰めてきても、こちらがガードを固め、相手の打ち終わりにアッパー―を入れる作戦。スパーリングでそれもきっちりと準備ができていた」と明かしていた。
 中谷がいきなり接近戦を挑んでくるケース、あるいは、前半にポイントを失い、仕方なく距離を詰めてくるケースを想定して、その場合の秘策として準備していた”中谷潰し”の秘密兵器だった。 
 この右アッパーを食らった中谷は、眼窩底骨折を負い、左目があけてられなくなり、左ガードを高くあげて、その左目をカバーし始めた。前に出ることができなくなった。だが、井上はその左目を狙わず。追撃の手を緩めて仕留めることをしなかった。
「(追撃を抑えたのは)少しありましたね。自分の中でも本当にこのまま叩きのめそうという気持ちが100%ではなかった。 ちょっと複雑な感情で(それは)初めてでしたね」
 一夜明け会見で井上はこう語っていた。
 井上が見せた武士道に通じるフェアプレー精神。将来のある中谷に重症を負わせるわけにはいかない。判定決着となったが、井上の人間性を示す象徴的な右アッパーでもあったのだ。

 

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