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那須川天心が元2階級制覇のメキシコのレジェンドを9回終了後にギブアップさせた(写真・山口裕朗)
那須川天心が元2階級制覇のメキシコのレジェンドを9回終了後にギブアップさせた(写真・山口裕朗)

「エストラーダは外科手術のような正確さで解体された」メキシコメディアが那須川天心のレジェンド9回TKOの快挙を絶賛…米専門サイト「プロ転向後最高のパフォーマンス」と評価

 プロボクシングのWBC世界バンタム級挑戦者決定戦が11日、両国国技館で行われ、同級2位の那須川天心(27、帝拳)が9回終了TKOで元2階級制覇王者の同級1位ファン・フランシスコ・エストラーダ(35、メキシコ)を破った。エストラーダは天心の執拗なボディブローで左脇腹を骨折した疑いで棄権を申し出て、救急車で病院に搬送された。海外メディアも速報で報道。エストラーダの地元メキシコのメディア「メディオティエンポ」は「外科手術のような正確さで解体された」と称賛した。

 

エストラーダは9回終了後に棄権を申し出た(写真・山口裕朗)

 天心が元2階級制覇王者の心を折った。4ラウンド終了後の公開採点では、2者がドローをつける一進一退の攻防だったが、5ラウンドからギアをあげた天心がスピードと手数で圧倒。威力のある左ストレートに加えて、右のアッパー、左右のボディショットでダメージを与え続け、9ラウンド終了後、左脇腹の痛みに耐えられなくなったエストラーダが棄権を申し入れて、天心が涙のTKO勝利を手にした。
 昨年11月のWBC世界バンタム級王座決定戦で井上拓真(帝拳)に判定負けを喫した天心は再起戦でメキシコのレジェンドを撃破。
 5月2日に東京ドームで行われる井上拓真と元4階級制覇王者、井岡一翔(志成)の勝者への挑戦権を手にした。
 レジェンドの地元メキシコの「メディオティエンポ」は「“ガジョ”エストラーダ、東京で声を失う」との見出しを取り英雄の敗戦を伝えた。
 同メディアは「エストラーダが味わったのは、時間と、そして一瞬一瞬を侍のような精度で支配した相手との戦いに敗れたというものだった。派手な展開はなかった。見出しを飾るような劇的なダウンもなかった。だが、もっとドラマチックなものがあった」とレポート。
「エストラーダは外科手術のような正確さで解体されていった。那須川天心は戦ったのではない。管理し、測り、加速し、選択した。そして勝負どころで一気に踏み込んだとき、メキシコ人にはもはや応じる術が残っていなかった」と続けた。
 同メディアは「試合開始直後からその差は明らかだった。手も足も、読みもすべてにおいて那須川が一歩先を行っていた」と天心を称賛。
「エストラーダは4ラウンドに入ってようやく反応を見せたが、その時点で試合の主導権はすでに決しており、それはアステカの戦士のものではなかった」とした。
 同メディアは分岐点を6ラウンドにあったと指摘した。
「頭部の衝突で一瞬の混乱が起き、直後にボディへの一撃。ダウンは公式には記録されなかったが、実質的には決定的な瞬間だった。ここからガジョの身体は別の言語…消耗という言葉を語り始めた」
 そして9ラウンドでの棄権申し立てを「冷静な判断だった。最も勇敢な決断とは続けることではなく、止めることだ。議論の余地も言い訳もない」と伝えた。
 天心を「学びに来たのではなく、取って代わるために来たことを証明した。それを長年パウンド・フォー・パウンドのエリートとして君臨した大物を相手にやってのけたのだ」と評価。
 一方の35歳のエストラーダを「ただ一つの試合を失ったのではない。リズムを失ったのだ。東京で“時間”は彼に断りなく追いついた。そして今回“ガジョ”はもはや歌うことができなかった」と、年齢的に限界に近づいていることを示唆した。

 

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