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1階級上のWBA世界ライトヘビー級王者のドミトリー・ビボル(左)に挑んだスーパーミドル級の4団体統一王者サウル”カネロ”アルバレス(右)だったが0-3の判定負け(写真・AP/アフロ)
1階級上のWBA世界ライトヘビー級王者のドミトリー・ビボル(左)に挑んだスーパーミドル級の4団体統一王者サウル”カネロ”アルバレス(右)だったが0-3の判定負け(写真・AP/アフロ)

なぜカネロのLヘビー級挑戦は失敗したのか…判定負けの”番狂わせ”で9月のゴロフキン戦は消滅してビボルとの再戦へ

試合後の公式会見でもカネロは「再戦については後で試合を振り返ってどうするかを考えたい。でも、これでは終わらない。強くなって戻ってくる」と語り、ビボルは、「夢は統一王者。再戦するなら、それに見合うもの(ファイトマネー)がいる」と強気に出た。

 複数の米メディアもゴロフキン戦は消滅し、ビボルとの再戦が最有力と見ている。

 ESPNは「次の挑戦はビボルとの再戦となりそうだ。31歳のアルバレスは再戦条項を行使する計画にあるが、マネジャーでトレーナーのエディー・レイノソ氏やハーン氏と話し合うことになると明かした」と分析。 「メキシコ人ボクサー(のカネロ)は9月17日に168ポンド(スーパーミドル級)でゴロフキンと3度目の対戦を予定していたが、この戦いはもし実現することになるとしても待たされることになる見込みだ」と記した。

 カネロのプロモーターであるハーン氏の「ビボルとの再戦が今はボクシング界で最大の試合でゴロフキンとの3度目の試合を上回る」とのコメントを引用。

「現時点では、アルバレスが(ビボルとの)形勢を逆転する修正ができるのかどうか難しいが、もしかしたらこの見込みの薄さが、彼を新たな高みへ、さらに快適な位置からはるか外へと押し上げることになるかもしれない」と指摘した。

 またワシントンポスト紙も「土曜日の番狂わせを受けて、ビボルと戦うために階級を上げたスーパーミドル級王者のアルバレスは、9月にゴロフキンとの3度目の対戦の代わりに(ビボルとの)再戦するための権利を行使するだろう」という見解を示した。

 だが、一方でゴロフキンとの3度目の対戦に向かうとの見方もある。

 英ミラ―紙は、ゴロフキンが試合後にツイッターに投稿した「ドミトリー・ビボル、勝利おめでとう!素晴らしかった。このまま続けていくんだ!」という”つぶやき”を紹介した上で、こう予測した。

「アルバレスは、この数週間以内に彼の計画を最終決定するだろう。彼は階級を上げることに苦労したことを認めておりアルバレスはゴロフキン相手に168ポンド級(スーパーミドル級)に戻って統一王座を防衛することを選択するかもしれない」

 今回の敗戦で、カネロはリング誌が格付けしているパウンド・フォー・パウンドの1位の座から陥落するのかもしれない。だが、ビジネスの側面も含めて、ボクシング界が、カネロを中心に回っていくことだけは間違いないだろう。

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