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天心と武尊の「THEMATCH」の地上波放送が見送られることになった
天心と武尊の「THEMATCH」の地上波放送が見送られることになった

なぜ天心と武尊はフジテレビの放送見送りに怒り落胆したのか…背景にテレビ業界の異常に厳しいコンプライアンス事情

榊原氏も「未来の子供たちへのメッセージを届けたいという思いが両選手にあった」という。

 4月7日に両者が揃って行われた2度目の会見では、それぞれが、この時点で地上波放送が決定したことに対して、こうコメントしていた。

「自分のテレビでの試合が最後に放送されたのが大晦日のRIZIN。そこから時間は経ったと思うので、また新たな舞台というか、新しい団体でこういう形で試合ができてテレビで試合ができてうれしく思う」(天心)

「地上波で試合をしたいというのは僕がK-1に出た時からずっと言っていること。地上波のゴールデンタイムに格闘技を戻すことを目標にこの何年間かやってきた。K-1は、ずっと地上波がなかったのでやっと地上波で試合ができるのは凄くうれしい。見ようと思っている人だけではなく、たまたまチャンネルを回した時に面白そうだと思って見てくれる人もいるだろうし、今まで格闘技に興味がなかった人がたまたま見たことによって格闘技にハマってくれたり面白いと思ってくれたりすることが地上波の凄さ」(武尊)

 RIZINで地上波放送に乗ってきた天心以上に地上波放送に縁のなかった武尊には特別の思いがある。 「この試合の勝敗だけじゃなくて、この試合をやることによって格闘技界がもっと盛り上がり変わっていくと思う。それが未来につながっていく。格闘技を野球やサッカー、バスケットのようなスポーツと同じぐらい、いや、それ以上に日本中世界中が注目するスポーツにしていきたいということを僕はずっとK-1に上がってから言っている」

 この気持ちは天心も同じだ。彼は「教科書に載るような試合にしたい」とも熱弁していた。

 このビッグマッチを格闘技界の未来へつなげる舞台だと位置づけていたからこそ、地上波放送中止に大きなショックを受けたのである。

 さらに榊原氏が「影響するでしょう」と心配したように今後、総合格闘技イベント「RIZIN」の地上波中継がなくなる可能性もある。大晦日恒例のビッグイベントの中継からフジテレビが撤退することにもつながるかもしれない。榊原氏には2006年に同じく週刊誌の報道がきっかけとなりPRIDEの放映からフジテレビが撤退、それが引き金となり、その後、PRIDEの権利がUFCに売却され消滅したというトラウマがある。

 だが、16年が経過し、地上波の求心力は落ち、地上波がなければ格闘技イベントが成り立たないという状況ではなくなっている。榊原氏は「RIZINにおいては色んな違うプラットフォームの中で、十分に経済的には担保されていくことになる」との見通しも口にした。

 魅力のあるビッグカードを提供していけば、挽回の余地は十分にあるだろう。

 「THE MATCH」の共同主催者であるRISEの伊藤代表は「今回出る選手は一流の選手ですから最高の試合をしてくれると僕も願っていますし信じてます」と語り、K-1の中村プロデューサーも「大会をやるということは変わらない。K-1ファイターは地上波がないから力を出しきれないとか、モチベーションが上がらないとか、そんなやわな選手はいないですし、どんな場所でも、どんなリングでもどんな会場でもどんなシチュエーションでも、今まで全力を出して最高の試合をしてきたファイターたちなので、みなさんそこは安心してください」と前を向いた。

 天心ー武尊戦は予定通りに6月19日に東京ドームで行われ、ABEMAによるPPV配信も行われる。決断を下したフジテレビのトップが地団太を踏むような名勝負を見せればいい。

(文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)

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