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西武が20日のドラフトで早大の現役最多12本塁打を誇るスラッガー蛭間拓哉外野手を1位指名することを公表した(写真・日刊スポーツ/アフロ)
西武が20日のドラフトで早大の現役最多12本塁打を誇るスラッガー蛭間拓哉外野手を1位指名することを公表した(写真・日刊スポーツ/アフロ)

なぜ西武は早大スラッガー蛭間拓哉外野手のドラフト1位指名を公表したのか…ソフト、日ハムなど相次ぐ公表戦略の功罪とは?

 外野陣で規定打席に到達したのは新加入のブライアン・オグレディ(30)だけだったが、打率.213はリーグ全体で最も低く、本塁打も15本、打点も46だった。ベテラン栗山巧(39)はDHに入るケースが多く、盗塁王を2016年、2019年の2度獲得した実績もあり、リードオフマンとして辻監督が期待をかけ続けた金子侑司(32)も出場わずか44試合にあまんじた。
 結局、シーズンを通して愛斗(25)、鈴木将平(24)、川越誠司(29)、長谷川信哉(20)、若林楽人(24)らを含めたなかで調子のいい選手を起用せざるをえなかった。2019年まで在籍し、今シーズン途中にも獲得に乗り出した秋山翔吾(34、現広島)の穴が依然として埋められていない。
 だからこそ、ドラフトで即戦力の外野手を求める。早稲田大で1年春から東京六大学リーグ戦に出場し、現役最多の12本塁打を放っている蛭間はうってつけの存在だった。
 ひとあし先にプロ入りしている西武の4年目右腕、渡邉勇太朗(22)ともに2018年夏の甲子園に出場した埼玉・浦和学院高時代から注目してきた蛭間を、渡辺GMは「ライオンズでも主力を張れる選手だと思っています」と、将来性を含めて高く評価した。
「打撃は右だけでなく広角に、左方向にもしっかりとしたスイングで強い打球を打てるのが魅力。打つだけでなく、守備と走塁に関しても非常にレベルが高いオールラウンダー。大学日本代表の4番を打っていたし、将来的には侍ジャパンに入れるぐらいの選手だと思っています」
 西武は昨年のドラフト会議でも、大学ナンバーワンピッチャーとして注目を集めていた左腕、隅田の1位指名を事前に公表。ヤクルト、巨人、広島と競合したなかで、最初に抽選箱に手を入れた飯田光男常務取締役球団本部長(56)が当たりくじを引きあてている。
 1位で競合した2012年の東浜巨(32、ソフトバンク)、2017年の田嶋大樹(26、オリックス)、2019年の佐々木朗希(20、ロッテ)、そして早川と4連敗中だった西武が交渉権を獲得したのは、6球団の競合を制した2010年の大石達也(34、現西武二軍投手コーチ)以来だった。
 2年続けて1位指名を事前に公表した理由を問われた渡辺GMは「去年公表して取れた、というところの験担ぎもある」と隅田の再現を期待した上で、さらにこう続けた。
「それだけ熱望している、それだけ獲得したい選手という思いの表れだと思っています。ウチとしての答えというか、そういう評価を伝えたかったという感じですね」

 

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