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  • なぜ長期休養を発表した武尊は「(天心との再戦は)100%ないと断言したくない」と発言したのか…総合格闘技とボクシングに舞台を変えて永遠に続くライバル関係
天心との世紀の一戦から8日後に武尊が緊急会見。時折涙ぐみながら長期休養と格闘家として新たな挑戦の考えがあることを明かした
天心との世紀の一戦から8日後に武尊が緊急会見。時折涙ぐみながら長期休養と格闘家として新たな挑戦の考えがあることを明かした

なぜ長期休養を発表した武尊は「(天心との再戦は)100%ないと断言したくない」と発言したのか…総合格闘技とボクシングに舞台を変えて永遠に続くライバル関係

 その新しい挑戦とは何か。

「目標がないと試合をする意味もない。何も目標がない状態だったら辞めた方がいい。数日、悩んだが、ちょっとひとつ僕の心の中に目標ができた。何も形にもなっていないし、まだ何も進んでいない話なので、ここではまだ言いたくないが、それに向けて心も身体もしっかり治したい」と、意味深な答え。 「UFCに挑戦するのでは?」の質問に対しては、こう返した。

「今は何も答えられない。試合から1週間経って気持ちも毎日揺れ動いていて、毎日考えてることも変わる。ひとつ決心はしたんですけど、まだ明確に“何”ということは考えないようにしている。UFCだけじゃなくて、まだ僕には色んな可能性がある。1回心と身体を最高の状態にして、また改めてそのときに会見させていただこうと思う。その時には、またみんながワクワクして心を踊らせてくれるような格闘技界がまたもう1回最高に盛り上がるようなお話ができたらと思っている」

 否定はしなかった。

 関係者の話を総合すると、武尊の「決心」は、総合格闘技の世界最高峰である「UFC」のオクタゴンに上がることを目標に置いた総合格闘技への挑戦だと見られる。

 実は、武尊は、天心戦に勝った場合、キックでの海外進出、そして総合への挑戦を次なるプランとして温めていた。総合の舞台としては、国内ではRIZINがあり、アジアではONE、欧米では、UFC、ベラトールなどがある。ただUFCに関しては敷居が高く、キックで実績のある武尊といえども、総合格闘家としての経験がないため、おいそれとは契約は結べない。UFCとの契約を勝ち取るには、米国でUFCファイターが集まるジムでトレーニングを積み、まずローカル大会から結果を出していくことが必要とされる。武尊は、その決して簡単ではない路線に進むことを検討していたことがある。

 長期休養期間には、もちろんRIZINやONE、ベラトールからの勧誘はあるだろう。最終的に武尊が、どのルートで総合への道へ踏み出すのかはわからないが、軽量級で、これだけ強烈な打撃力を持つファイターは稀有な存在。総合の世界で頂点を極める可能性は十分にある。

 そして武尊には確かな確信がある。

「10年ぶりに負けて僕の中ですごく大切なものに気づけた。もちろん負けるのは悔しいし、今も負けた自分は許せない。だけど自分の歪んでいた部分だったり、負けに対してのネガティブな気持ちは変わった。これでひとつ強くなれたんじゃないか。自分の中での価値観が良い意味で変わった。恐怖がなくなった分、これから僕はもっと強くなれると確信した」

 それが天心戦に敗れたことで得たものである。

 

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