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5時間3分の激闘の末敗れた矢野監督は伝統のGT戦で動かなかった(資料写真・黒田史夫)
5時間3分の激闘の末敗れた矢野監督は伝統のGT戦で動かなかった(資料写真・黒田史夫)

なぜ阪神の矢野監督は伝統のGT戦で動かなかったのか…5時間3分の激闘で浮かび上がった原巨人とのベンチワークの差

もし大山の2ランがなければ屈辱的な12試合目の完封負けを喫するところだった。

 スポーツ各紙の報道によると、試合後、矢野監督は「ミスが点になって決めるところで点が取れない。流れ的には変わっていない。まずは今出ているメンバーの状態が上がってくることが必要。あとからいった選手も、自分たちの仕事をしてくれたが、スタメンのメンバーが頑張ってもらわないと」とコメントしたそうだが、高代氏は、その考え方に疑問を呈する。

「点が取れないのは、決して選手個々の調子云々だけの問題ではない。ベンチが動いていないことと、打者への指示が徹底されていないことも影響していると思う。スタメンに関して、まるで全員がクリーンナップみたいにベンチが何もせず、無策にただ打たせていることはありえない。調子が悪くバットが出てこないときなどは、エンドランのサインが調子を取り戻すきっとかけになることはよくあるし、動かないと相手のバッテリー、守備陣に『何をしてくるかわからないぞ』とプレッシャーをかけて考えさせることができない。そういう駆け引きのない野球では、流れを作れないし、相手のベンチになめられる。21試合も連続で投手陣が3点以下に抑えながら、12勝9敗と貯金が3つしかないのはどう考えてもおかしいのだ」

 高代氏は、日ハムでの現役時代に、調子を落とした際、当時の監督の“親分”大沢啓二氏に「エンドランのサインを出して欲しい」と直訴したこともあるそうだ。

 巨人戦を終えると、24日からセ・パ交流戦に突入。まずはパ・リーグ首位の楽天、ロッテとの6連戦が控えており、このままのローテーでいけば、27日にはロッテの”完全男”で、この日のソフトバンク戦で無傷の5勝目をマークした佐々木朗希と対戦することとになる。

「なんとかしてベンチが動き、残り2試合の巨人戦を連勝で勝ち越して交流戦に入っていかないと、まずいことになるかもしれない」と高代氏も危惧する。

 今日の阪神の先発は、安定感のあるウィルカーソンで、対する巨人はシューメーカー。これが3度目のマッチアップで4月16日は2-1で競り勝っている。

(文責・論スポ、スポーツタイムズ通信社)

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