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誰が新オーナになるか?で大谷翔平の去就が変わる?(写真・AP/アフロ)
誰が新オーナになるか?で大谷翔平の去就が変わる?(写真・AP/アフロ)

エンゼルスの買収を巡って争奪戦勃発… 誰が新オーナーになるかで大谷翔平の去就が変わる?!

 レイコブ氏の生まれは、マサチューセッツ州だが、アナハイムで育ち、地元の高校、大学に通った。子供の頃からエンゼルスのファンで、学生時代には、エンゼル・スタジアムの売店で働いた経験もある。スーン・シャン氏のプロスポーツチームのオーナーとしての手腕が不透明なのに対し、レイコブ氏は実績もある。

 ウォリアーズは過去8シーズンで6度のNBAファイナル出場を果たし、4度の優勝を成し遂げている。いずれの優勝も、ステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンの3人が軸となったが、彼らは揃って生え抜き選手でもあり、そうした選手を大切にすることでもレイコブ氏は知られる。  成績に現れない面も高く評価。例えばグリーンの昨季の1試合平均は7.5点、7.0アシスト、7.3リバウンド。年俸は約2400万ドル(約34億3000万円)。この程度の数字なら、年俸が3分の1程度の選手でも十分に替えがきく。しかし、グリーンがいることでチームがまとまり、カリー、トンプソンが気持ちよくプレーできることを知っている。もちろん、5人で戦うバスケットと9人で戦う野球では勝手が違うが、彼に対する待望論は、日増しに高まっている。

 そうした動きの一方で、興味深いのは、日本人投資家の買収への参加だ。 そもそも誰が中心にいるかだが、LA・タイムズ紙は、先日、そのグループが、映画「マネーボール」で知られるアスレチックスのビリー・ビーン上級副社長と、レッドソックスでゼネラルマネージャー、カブスでは副社長として「バンビーノの呪い」、「ビリー・ゴートの呪い」をそれぞれ解き、両チームを優勝に導いたセオ・エプスタイン(現リーグコンサルタント)を引き込む可能性を示唆した。確かに彼らが加われば、リーグ内の承認プロセスもスムーズに運ぶ。当然、大谷残留の可能性は、一番高くなる。レイコブ氏とビーン氏は友人同士であり、ビーン氏が組むとしたら、レイコブ氏の方か。

 いずれにしても、今オフに予定されていた大谷とエンゼルスの再契約交渉は、新オーナーが決まるまで行われない見込み。それまではチームの方向性も決まらないからだ。

 早ければ早いほど再建の道筋はつけやすく、大谷に判断する十分な時間をもたらしうるが、買収成立までに最低でも6か月から9か月はかかると見られる。1年以上かかるようなら、大谷はFAとなり、引き留めは難しくなる。今後、買収交渉のスピード、成立のタイミングについても、新オーナーの構想と合わせて、ファンは気をもむことになりそうだ。

(文責・丹羽政善/米国在住スポーツライター)

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