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阪神からドラフト1位指名された際に座右の銘「下剋上」と書いた森木大智。「その姿勢でプロ野球の世界で戦っていく」と語ったが前途は明るい(資料写真・日刊スポーツ/アフロ)
阪神からドラフト1位指名された際に座右の銘「下剋上」と書いた森木大智。「その姿勢でプロ野球の世界で戦っていく」と語ったが前途は明るい(資料写真・日刊スポーツ/アフロ)

黒星デビューも阪神ドラ1森木大智が示した潜在能力が凄い…藤川球児氏に似た最速154キロ球質と投球フォームで作る緩急

 

阪神のドラフト1位、森木大智(19、高知高)が28日、名古屋のバンテリンドームで行われた中日戦でプロ初登板、打線の援護がなく6回につかまって3失点で黒星デビューとなった。それでも最速154キロのストレートに多彩な変化球を交えて5回までは1安打無失点。故郷の大先輩の”レジェンド”藤川球児氏の”火の球”に似た球質で本格派右腕としての素晴らしい可能性を示した。

2回から打者12人をパーフェクト

 この19歳。ただものじゃない。緊張に包まれるプロ初登板。記念すべきプロ第1球を投げる前に、森木は、三塁の“先輩”佐藤と目を合わせると両手でバントのジェスチャーをして「セーフティーバントを気をつけて!」と伝えニヤっと笑ったのだ。

 中日の1番打者は、小細工のできる岡林。確かに注意しておくべき部分だが、まるで10年選手の貫禄である。  セットから投じた記念すべきプロ第1球は真ん中低めへの152キロのストレート。岡林はスイングを仕掛けたが、差し込まれ三塁側へのファウルになった。

「ヨーイドンの初球でストライクが入る。普通は上ずったり引っ掛かったりするものだけど」

 スポーツ各社の報道によると中日の立浪監督は、その初球を見たときに、制球力の非凡さに驚いたという。

 2球で追い込み、3球目もファウルにされたが、ここまで全球が152キロのストレート。最後はスプリットを落としてセカンドゴロ。気迫が伝わってきた。

 続く大島へもストレート勝負。その2球目は、この日、最速の154キロをマークした。外角低めへと決まる速球に大島は手が出なかった。だが、相手は今季も首位打者を争う球界を代表するヒットメーカーである。3球勝負の153キロのストレートを叩きつけられゴロで打球がセンター前へ抜けていく。

 走者を置いて阿部を迎え森木は、その初球にカーブでストライクを取った。カウント2-1から盗塁を決められるが、フルカウントとなってもストライクを取ることに苦労はしない。スライダーでセンターフライに打ち取る。

 大島がタッチアップを仕掛けて一度はセーフの判定が出たが、リクエストで覆りダブルプレーになると、森木はグラブを小さく叩きながら走ってベンチへと帰った。

 2回からが圧巻のパフォーマンスだった。

 5回まで打者12人にパーフェクトピッチング。しかもストレートを2キロほど抑え気味に制御してストライクを先行させ、カーブ、スライダー、カットボール、フォークと変化球を操りながら中日打線を牛耳っていく。だが、阪神打線は走者を出しながらも空回りして援護がなく、0-0のまま6回を迎えた。

 

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